カトリック大名町教会

カトリック大名町教会

カトリック大名町教会は、福岡県福岡市中央区大名に所在するカトリック系の教会です。この教会は、カトリック福岡司教区の司教座聖堂としても機能しており、福岡カテドラルセンターとしても知られています。

教会の歴史

1896年にエドワード・ベレール神父による設計で、最初の赤レンガの聖堂が建設されました。1910年代に入ると、教会前の道路や公共交通の整備が進み、地域の発展と密接に関わることになります。1927年にカトリック福岡司教区が長崎から独立した際、この教会は司教座聖堂に指定されました。

1938年には、信徒数の増加に伴い、赤レンガ聖堂の隣に木造の聖堂が増築されました。第2次世界大戦中には、日本軍によって一時接収されることもありましたが、幸運にも戦災を免れました。その後、1984年に赤レンガ聖堂は老朽化により解体されることが決定し、福岡県久留米市の聖マリア病院の附属聖堂へ移築されました。

1986年には、鉄筋コンクリート製の新しい聖堂が竣工し、現在の形に整えられました。新しい聖堂の主祭壇は、旧聖堂から引き継がれ、建物の南西側に配置されています。また、南東側には高さ40メートルの鐘楼がそびえています。

教会の逸話

教会の前に位置する明治通りは福岡市でも重要な幹線道路です。この道路は福岡藩時代、城下町の防備のために曲がりくねった形状に設計されていました。聖堂竣工後の1910年、福博電気軌道がこの道路に路面電車を敷設する計画を立て、当初は聖堂の移転を求める交渉が行われましたが進展がなく、結果的に教会側が当時の政界の実力者でカトリック信者であった原敬に働きかけ、移転要求を取り下げさせたというエピソードがあります。この背景により、今日も明治通りは教会の前を曲がる形になって残っています。

また、福岡ソフトバンクホークスが優勝した際には、優勝パレードのルート上にある教会の鐘が鳴らされ、選手たちを祝福しています。さらに、1974年11月27日には、著名な俳優である武田鉄矢が、この聖堂で挙式を行ったことでも知られています。

アクセスと周辺

カトリック大名町教会の所在地は、〒810-0041 福岡県福岡市中央区大名二丁目7番7号です。交通アクセスは、西鉄福岡（天神）駅や福岡市地下鉄天神駅から徒歩5分の距離にあります。また、西鉄バスの「西鉄グランドホテル前」停留所からもすぐの場所に位置しています。

周囲には、西鉄グランドホテルや福岡銀行本店などの著名な施設が揃っています。カトリック大名町教会は、その美しい建築だけでなく、地域の歴史や文化にも深く根ざしている教会です。

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