カナキティ

カナキティ

1987年11月30日、東京都世田谷区に生まれたカナキティは、日本で活動する多才な表現者です。舞踏家として活動を主軸としつつ、女優、演出家、モデルとしても精力的にその才能を発揮しており、現在はケイエムシネマ企画に所属しています。

舞踏との出会いと独自表現の確立

カナキティの芸術的な探求は、青山学院短期大学芸術学科で学んでいた頃に始まりました。2009年に同学科を卒業しましたが、在学中に受講した絵画の授業が、彼女を舞踏の世界へと導くきっかけとなりました。特定の師につかず、独自の感性に基づいた舞踏表現を追求し始めた彼女のスタイルは、既成の枠にとらわれない自由さと奥深さを兼ね備えています。

彼女の舞踏は、「目に見えない存在」や「地球に生きるあらゆる生命」への深い祈りを主題としています。パフォーマンスを通じて、観客の感覚や遠い記憶に働きかけ、時を超えた共鳴を生み出すことを目指しています。このユニークなアプローチは、国内外で高い評価を得ています。

広がる活動領域と国際的な展開

舞踏家としての活動は舞台に留まらず、様々な分野のアーティストとのコラボレーションも積極的に行っています。美術家や音楽家など、異ジャンルの表現者との共演は、彼女の舞踏に新たな次元を加えています。国内では、原始感覚美術祭やデジタルアートと音楽の祭典であるMUTEK.JPなど、数多くの著名な芸術祭に招聘され、パフォーマンスを披露しています。

近年は国際的な活動も一層活発化しており、その活動範囲はアジア、ヨーロッパ、北米など世界各地に及んでいます。フランス、スイス、アイスランド、ノルウェー、バングラデシュ、ネパール、ベトナム、韓国など、多くの国々で公演を行い、その普遍的な表現は国境を越えて観客を魅了しています。アイスランドで開催された「FRESH WINDS ART BIENNALE」や、スイスの「FAC アーティストインレジデンス」への参加など、国際的な芸術プロジェクトにも多数関わっています。

俳優・モデルとしての顔

カナキティは舞踏の世界だけでなく、映像メディアやファッションの分野でも活躍しています。女優としては、映画やテレビドラマに出演しており、例えば2019年の映画「劇場版 おっさんずラブ 〜LOVE or DEAD〜」や、2022年のテレビドラマ「心霊マスターテープ 〜EYE〜」などでその姿を見せています。2025年放送予定のNHK連続テレビ小説「あんぱん」にもデッサンモデル役で出演することが発表されています。

また、ミュージックビデオへの出演も多く、多様なアーティストの楽曲にその舞踏や存在感で彩りを添えています。ロックバンドDIR EN GREYの楽曲「落ちた事のある空」のMVや、LLLL、キタニタツヤといったアーティストの作品にも参加しています。さらに、モデルとしてファッションショーなどにも登場しており、舞踏の身体表現を異なる文脈で提示することで、舞踏という芸術形式の認知拡大と次世代への可能性提示に貢献しています。

カナキティの活動は、舞踏を核としながらも、異分野との積極的な交流を通じて、その表現世界を広げ続けています。伝統にとらわれない独自の探求と、様々なメディアでの表現活動は、現代における舞踏のあり方、そして身体表現の可能性そのものを示唆していると言えるでしょう。

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