カナダ国境サービス庁

カナダ国境サービス庁（CBSA：Canada Border Services Agency）は、カナダの出入国管理、移民関連事務、そして税関業務を包括的に管理する連邦政府の法執行機関です。フランス語ではAgence des services frontaliers du Canadaと表記され、略称はASFCです。

概要

CBSAは2003年に公安省の管轄下で設立されました。公共安全大臣を通じて議会に責任を負っています。職員数は約13,000人に及び、そのうち7,200人が制服を着用する係官です。カナダ国内に1,200か所、国外に39か所の拠点を有し、広範な活動を展開しています。

主な業務内容は以下の通りです。

陸路国境119か所、国際空港13か所における国境管理
主要港3港、鉄道駅27か所における入出国管理
移民・難民保護法違反者の捜査・逮捕（移民・難民・市民権省と連携）
国家安全保障および治安関連犯罪、広域犯罪の捜査

設立の経緯

CBSAは、2003年12月に枢密院立法に基づき、カナダ税関歳入庁から分離独立し、同時に市民権移民省の出入国管理部門を統合する形で設立されました。この際、カナダ国境サービス庁法が制定され、2005年に国王の裁可を得て正式に発効しました。

設立の背景

2001年9月11日に発生したアメリカ同時多発テロ事件は、カナダの国境管理における優先順位に大きな変化をもたらしました。国家安全保障および治安の重要性が高まり、国境管理体制の強化が急務となりました。こうした状況下、カナダ外務国際貿易大臣ジョン・マンレーとアメリカ合衆国初代国土安全保障長官トム・リッジが提唱した「米加スマートボーダー宣言」により、米加両国間の国境管理における連携・協調体制が構築されました。

関連事項

国境警備隊
カナダの騎馬警察隊
カナダ軍
カナダ＝アメリカ合衆国国境

外部リンク

* カナダ国境サービス庁ウェブサイト（英語・仏語）

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