カナディアンワールド

カナディアンワールド

カナディアンワールドは、北海道芦別市に位置する民営の公園で、その特色は星やカナダの小説「赤毛のアン」に関連したテーマにあります。この公園は、観光地としての歴史豊かな背景を持ちつつ、訪れる人々に楽しさを提供したいと考えられて開発されました。

歴史的な背景

カナディアンワールドの設立は1984年のことです。この年、芦別市は三井芦別炭鉱の閉山による地域活性化策を求め、観光開発を計画しました。1985年、東急エージェンシーによる基本構想が持ち込まれ、1986年には観光開発に関する市民会議も設立されましたが、実際には市民が関与しないまま進められたことが問題の発端となりました。

1987年には「星の降る里ワールド基本計画」が策定され、当時の構想には約100億円をかける大規模な地域振興プロジェクトが含まれていました。この計画には、屋内型ウォーターパーク、赤毛のアンに基づいたテーマパーク、ホテルの建設が盛り込まれました。

1988年に設立された「星の降る里芦別」は、最初は順調に進む予定でしたが、資金不足や経営方針の不一致が影響していきます。1989年にはラベンダー植栽が始まり、1990年の夏にテーマパークが開園されました。最初の数年間は話題を集めるものの、赤毛のアンの人気が集客に結びつかなかったことが次第に明らかになり、入園者数が目標を下回る事態に陥ります。

テーマパークとしての盛況と苦境

カナディアンワールドは、開園初期には約27万人の入場者を記録しましたが、年々減少し、1994年からは冬季の休園を決定せざるを得なくなります。続く1991年にはレストランやミニSLの設置、割引キャンペーンを行っても業績が改善しない状況が続きました。特に、運営コストの管理や接客態度の問題から客足は遠のいていったのです。

1995年には芦別市が多額の債務を抱え、経営陣が交代することになりましたが、経済状況が好転することはありませんでした。1997年には、最終的に公園を市民のための無料施設として再出発させる決定が下され、1998年には市営公園化が実施されました。

市営公園としての新たなスタート

公園は1999年に市営として開園され、無料開放されることになりました。これにより、誰でも訪れやすくなったものの、維持費が毎年約1億円かかるという新たな課題が浮上します。その後も経営状況は厳しく、2010年代には自己破産手続きの開始や運営縮小などが行われました。

2014年にはNHK連続テレビ小説の影響を受けて観光客が増加したものの、施設の老朽化と維持問題は依然解決しきれない状態でした。2019年には振興会による運営が決定し、特定の休日に開園する方針へと移行しました。

未来への展望

2020年、自ら運営体制を整えた「カナディアンワールド振興会」によって、限られた期間での再開園が行われています。今後、民間資金や地域の協力を得ながら、活動を続けていくことが期待されます。

カナディアンワールドの詳細な施設情報やアクセス方法は公式ウェブサイトで確認でき、気軽に訪れることができます。公園内では、赤毛のアンに関連する展示や、カナダの文化を体験することができるため、家族連れや観光客からも広く支持されているスポットです。

もう一度検索