カナディアン・ブラス

カナディアン・ブラスは、1970年にチャールズ・デイレンバックとジーン・ワッツを中心に結成された、世界的に著名な金管五重奏団です。結成以来、国際的な舞台で精力的に活動を展開し、100を超えるCDやDVDをリリースするなど、その活動は多岐にわたります。彼らは、金管五重奏のためのオリジナル作品や編曲作品を数多く委嘱、演奏、録音しており、金管アンサンブルのレパートリー拡大にも大きく貢献しています。

幅広いレパートリーと革新的なスタイル

『ワシントン・ポスト』紙で「世界第一級の金管アンサンブル団体」と評されるカナディアン・ブラスの演奏は、バロック、古典派、ルネサンス、中世音楽といったクラシック音楽にとどまらず、ジャズやポップスまで、非常に幅広いジャンルを網羅しています。また、フォーマルな黒いスーツに白い運動靴を合わせるという、ユニークな演奏スタイルも彼らの特徴の一つです。

国際的な活動と文化交流への貢献

1975年には、ワシントンD.C.のケネディ・センターでアメリカ初演を果たしました。1977年には、当時のカナダ首相ピエール・トルドーの指名を受け、カナダと中国の文化交流の一環として中国本土で演奏会を開催。文化大革命後、西洋音楽が制限されていた中国において、彼らは西洋音楽を紹介する先駆者となりました。

1979年には、室内合奏団として初めてニューヨークのカーネギー・ホールのメイン・ホールで単独演奏会を開催し、満員御礼となりました。『ニューヨーク・タイムズ』紙は、この演奏会を「メインステージの呼び物としてのカナディアン・ブラスを明確に確立した」と評価しました。

長年にわたる活躍と音楽チャートでの成功

40年以上にわたり、海外での公演活動と並行して数多くの録音を行っており、ビルボードの音楽チャートでは1970年代から2000年代にかけてランクインを果たしています。RCA、BMG、CBS、ソニー、フィリップス、デッカなど、主要なレコードレーベルから作品をリリースしており、その実績は金管アンサンブルとして傑出しています。現在、彼らの録音は、チャールズ・デイレンバックが社長を務めるトロントのオープニング・デイ・エンターテインメント・グループから発売されています。

現在のメンバー
チャールズ・"チャック"・デイレンバック（チューバ、1970年 - ）
ケイレブ・ハドソン（トランペット、2013年 - ）
ブランドン・ライデナワー（トランペット、2009年 - 2013年、2019年-）
ジェフ・ネルセン（ホルン、2000年 - 2005年、2007年 - 2010年、2018年 - ）
アキレス・リアルマコプーロス（トロンボーン、2011年 - ）

過去のメンバー
エリック・リード（ホルン、2010年 - ）
* クリス・コレッティ（トランペット、2009年 - 2019）

カナディアン・ブラスは、その卓越した演奏技術と革新的な音楽性で、世界中の音楽ファンを魅了し続けています。

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