カナリア諸島の旗

カナリア諸島の旗について

カナリア諸島の旗は、スペイン領カナリア諸島自治州のシンボルとして、その歴史と文化を象徴する重要な役割を果たしています。この旗は、白、青、黄色の三色で構成される垂直の三色旗であり、各色がカナリア諸島の歴史と地理的な特性を反映しています。

デザインと意味

旗は、左から白色、青色、黄色の順に同じ幅で配置された垂直三色旗です。公式な旗の中央には、カナリア諸島自治州の紋章があしらわれています。紋章は、青色の盾の中に灰色の七つの火山島が描かれており、盾の両側にはカナリア諸島の語源となった犬が配置されています。ただし、市民が使用する旗では、紋章が省略されることが一般的です。

歴史

カナリア諸島の旗が公式に制定されたのは、1982年8月16日です。この日、カナリア自治州自治法（基本法 10/82）によって、自治州の州旗としての規定が設けられました。しかし、この三色旗の起源は、1960年代のカナリア諸島独立運動（Canarias Libre）に遡ります。

この旗は、カルメン・サルミエントとその息子アルトゥーロ・サルミエント、そしてヘスス・カンテロ・サルミエントによってデザインされ、1961年9月8日に初めて掲げられました。当初は紙で作られた旗でしたが、そのデザインは、サンタ・クルス・デ・テネリフェ県を象徴する青色と白色、そしてラス・パルマス県を象徴する青色と黄色を組み合わせたものとなっています。興味深いことに、1950年代には、ベネズエラのカナリア諸島出身者の間で起こったカナリア独立運動でも、同様の白・青・黄色を使った旗が提案されていました。

また、1964年に設立された独立運動・テロ組織「カナリア諸島の自治と独立のための運動」（Movimiento por la Autodeterminación e Independencia del Archipiélago Canario）も、白・青・黄色の垂直三色旗をシンボルとして使用していました。彼らは、旗の中央の青色を空色に変え、七つの緑色の星を配置することで、独自性を出していました。

旗の意味合い

カナリア諸島の旗は、その色とデザインを通して、島の自然、歴史、そして住民のアイデンティティを象徴しています。白は平和と純粋さを、青は海と空を、黄色は太陽と豊かさを表していると言われています。また、紋章に描かれた火山島は、カナリア諸島の地形的な特徴を、犬は島の名前の由来を象徴しています。

まとめ

カナリア諸島の旗は、単なるシンボル以上の意味を持っています。それは、島の歴史、文化、そして住民の誇りを体現するものであり、カナリア諸島を訪れる人々にとっても、その土地の理解を深めるための重要な手がかりとなるでしょう。

関連項目

スペインの国旗
海外領土・自治領の旗一覧

外部リンク

Canary Islands at Flags of the World
Banderas de Canerias by José Manuel Erbez

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