カプリチオシリーズ

タイトー「カプリチオ」シリーズ：プライズゲーム機の進化

「カプリチオ」（CAPRICCIO）シリーズは、株式会社タイトーが開発・販売するアーケードゲーム機で、プライズゲーム（クレーンゲーム）に分類されます。1991年の初代機から、さまざまな機能やデザインの変遷を経て、多くの機種が登場しました。

基本的なゲームシステム

カプリチオシリーズは、一般的なクレーンゲームと同様に、プレイヤーがクレーンを操作して景品を獲得するゲームです。操作方法は機種によって異なり、主に以下の2つのタイプがあります。

ボタン操作式: 2つまたは3つの押しボタンを使用し、クレーンの移動や回転を操作します。
スティック操作式: ジョイスティックと押しボタンを各1つずつ使用し、より自由なクレーン操作が可能です。

ボタン操作式の詳細

3つボタン操作の機種では、以下の手順でクレーンを操作します。

1. 第1ボタン: クレーンを左右いずれか（単方向のみ）に移動させます。ボタンを離すと停止します。
2. 第2ボタン: クレーンを奥方向に移動させます。ボタンを離すか限界点に達するまで動き続けます。
3. 第3ボタン: クレーンを左右に約180°ずつ回転させます。ボタンを離すか制限時間が来るまで回転し続けます。
4. 自動下降: アームが開き、クレーンが下降します。第3ボタンを押すと下降を停止させることも可能です。
5. 景品獲得: アームが閉じてクレーンが上昇し、景品口上に移動後、アームが開閉して初期状態に戻ります。

2つボタンの機種では、第3ボタンによる回転操作がない点が異なります。

スティック操作式の詳細

スティックとボタンを使用する機種では、以下の手順でクレーンを操作します。

1. スティック: クレーンを前後左右斜めの8方向に自由に移動させます。制限時間内であれば何度でも移動可能です。
2. ボタン: クレーンを左右に約180°ずつ回転させます。ボタンを離すか制限時間が来るまで回転し続けます。
3. 自動下降: アームが開き、クレーンが下降します。ボタンを押すと下降を停止させることも可能です。
4. 景品獲得: アームが閉じてクレーンが上昇し、景品口上に移動後、アームが開閉して初期状態に戻ります。

機種によっては、回転機能や下降停止機能が店側の設定で無効になっている場合があります。

シリーズ機一覧

カプリチオシリーズは、以下のような多様な機種が展開されています。

CAPRICCIO（1991年）: 初代機。ルーレット機能搭載。
NEW CAPRICCIO（1992年）: 2代目。筐体はピンク基調。アームユニットにスロット搭載。
CAPRINA（1993年）: 3代目。「NEW CAPRICCIO」の基本構造を継承し、デザインとBGMを変更。
CAPRiCCiO SPiN（1994年）: 4代目。初の回転機能搭載。
CAPRiCCiO SPiN2（1996年）: 5代目。ジョイスティック操作に変更。
CAPRiCCiO SPiN J（1997年?）: 「CAPRiCCiO SPiN」のジョイスティック操作改造版。
NEW CAPRICCIO2（1998年）: 6代目。スロット機能搭載。
Capriccio Cyclone（1999年）: クレーンの可動スペースが拡大。初のステレオBGM採用。
Capriccio Cyclone SR（2000年）: 「Capriccio Cyclone」の系列機種。
Capriccio Cyclone Pure（2001年）: 「Capriccio Cyclone」の系列機種。
CAPRiCCiO PRO（2001年）: スティックと回転ボタンによる操作へ回帰。
CAPRICCIO SESAME（2001年?）: 子供向けに高さを低くした機種。
CAPRICCIO SPLASH（2001年?）: 「CAPRICCIO SESAME」の2人プレイ用。
CAPRICCIO LIFT（2002年）: フックで景品を引っかけるタイプ。
CAPRICCIO mini（2002年）: 1人用の省スペース機種。
CAPRICCIO MOVE（2002年）: スイング機能搭載。
CAPRICCIO G-one（2003年）: アームユニット内部に景品感知センサー搭載。
FANTASY SESAME（2004年頃）: 「CAPRICCIO SESAME」のマイナーチェンジ版。
CAPRICCIO SESAME2（2004年）: フィールドがすり鉢状に変更。
CAPRICCIO LIFT W（2004年）: 「CAPRICCIO LIFT」のダブルフックバージョン。
CAPRICCIO G-one HG（2004年）: 「CAPRICCIO G-one」のマイナーチェンジ版。
CAPRICCIO LIGHT（2004年?）: 「CAPRICCIO G-one」の廉価版。
CAPRICCIO STAR（2005年）: ドーム型筐体を採用。「スウィートランド」シリーズに類似。
CAPRICCIO SESAME 2α（2006年）: ジョイスティック操作が可能に。
CAPRICCIO STAR RS（2007年）: 「CAPRICCIO STAR」のマイナーチェンジ版。
CAPRICCIO G-one+（2009年頃）: 「CAPRICCIO G-one」のマイナーチェンジ版。
CAPRICCIO FORCE（2009年）: シリーズ初の4人プレイ用。
CAPRICCIO SESAME 2α T（2009年）: 「CAPRICCIO SESAME 2α」の系列機。
CAPRICCIO SESAME W（2010年）: 「CAPRICCIO SESAME」シリーズの2人プレイバージョン。回転機能追加。
CAPRICCIO G-one T（2010年）: 「CAPRICCIO G-one」のマイナーチェンジ版。コストパフォーマンスを追求。
NAIL STAGE（2011年）: シリーズの特徴であるスティックと回転ボタンを搭載。
CAPRICCIO SESAME W White Version（2012年）: 「CAPRICCIO SESAME W」のマイナーチェンジ機。照明強化。
* CAPRICCIO BOX（2019年）: ボックス型筐体を採用。「ラッキークレーン」シリーズに類似。

トラブル

2013年6月には、「CAPRICCIO STAR」および「CAPRICCIO G-one」で使用されている専用クーラーから出火する恐れが判明し、タイトーが専用クーラーの稼働停止を指示。同年10月には、専用クーラーの再稼働が技術的に困難と判断され、自主回収が進められました。

カプリチオシリーズは、長年にわたりアーケードゲームファンに親しまれてきたプライズゲーム機です。各機種の特色や歴史を知ることで、より一層ゲームを楽しむことができるでしょう。

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