カマキラス

カマキラス (Kamacuras)

カマキラスは、特撮映画「ゴジラシリーズ」に登場する架空の怪獣で、その外見はカマキリをモチーフとしています。一般には「両刀怪獣」や「かまきり怪獣」として知られています。映画の登場回数は多く、まず初めて登場したのは1967年の『怪獣島の決戦 ゴジラの息子』で、以降『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』（1969年）、『ゴジラFINAL WARS』（2004年）など多数の作品に登場しました。また、特撮テレビ番組『ゴジラアイランド』にも姿を見せています。

特徴

カマキラスの最大の特徴は、その独特な身体構造と戦闘スタイルです。具体的には、ウシほどの大きさを持つオオカマキリの大型種であり、気象コントロール実験の失敗によって、70℃以上の異常高温と放射能物質の影響を受けて怪獣化しました。右前肢は槍のような形状をしており、左前肢は鎌状で、攻撃時には主に左側を使用します。飛行には翅を扇状に広げることができ、閉じた状態でも結構な跳躍力を誇ります。目は暗闇の中でも黄色く光ります。

この怪獣は赤褐色の体に緑色の部分を持ち、胸部や背中には前向きの突起があります。特にその戦闘スタイルは残虐であり、前肢を武器として使い、空中からの岩石を落とす攻撃や強力なチョップを行います。また、食物連鎖では最上位に位置せず時にはクモンガの餌となることもあります。

カマキラスは社会性と知能を持ち、戦闘時には仲間と連携することが多いです。劇中では、ミニラの卵を強引に壊し、誕生をさせた後、数体でいじめるというシーンも見られます。しかし、攻撃してきたゴジラに遭遇し、2体を倒された残りの1体も逃げる運命にあります。

造形と制作

カマキラスの最初の造形物は、井上泰幸が原型を制作し、安丸信行と白﨑治郎が造形を担当しました。これらは着ぐるみではなく、ピアノ線を使った操演で動かされました。制作にあたっては、特殊素材が使用され、特に鎌部分にはアルミ板が挟まれることで強度を高めています。現在では、当時の目玉の電飾により夜間のシーンで存在感を示す重要な要素も加わっています。

また、カマキラスは操作技術が高く評価されており、その演出において監督と特技監督が対立することも多かったと言われています。しかし、カマキラスが草むらから出現する演出は簡単に決まったとのことです。それにより、カマキラスは特に印象的な存在感を持つ怪獣として知られています。

現代の出現と評価

現代においてもカマキラスは根強い人気を誇っており、『GODZILLA 怪獣黙示録』などの新たなメディアにも登場しています。1999年5月には、アメリカのマンハッタン島で初の個体が出現し、大きな破壊を広げました。その後、様々な作品や商品化が行われ、特にバンダイからは玩具としても取り扱われています。

カマキラスは、これまでの作品を通じて多様な姿と性格を見せ、多くのファンに愛され続けているキャラクターの一つです。特に、敵を攻撃する際の巧みな戦法や、仲間を持つ社交性、そして独特な見た目は、特撮映画における重要な要素として特徴付けられています。

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