カマリロ

カマリロ：カリフォルニアの歴史と自然が息づく街

カマリロは、アメリカ合衆国カリフォルニア州ベンチュラ郡に位置する都市です。その人口は約7万人（2020年）で、ダウンタウンはベンチュラ・フリーウェイ（国道101号線）沿いに発展しています。この街の歴史は古く、先住民の文化、ヨーロッパ人の探検、そしてメキシコ独立といった変遷を経て、現在の姿へと至っています。

歴史

コロンブス以前

カマリロを含むベンチュラ郡には、もともとチュマシュ族インディアンが居住していました。彼らは太平洋岸に沿って、カレグアス川やサンタクララ川の河口付近に村落を形成し、漁撈を生活の基盤としていました。これらの村落から出土した工芸品は、ベンチュラ郡歴史博物館で見ることができます。また、この地域の峡谷や洞窟には、当時の絵画が残されています。

ヨーロッパ人の探検

16世紀、スペインの探検家フアン・ロドリゲス・カブリリョがこの地を訪れ、周辺を探索しました。1542年にはスペイン領として獲得され、その後、セバスティアン・ビスカイノが測量探検を行いました。しかし、18世紀に入ると、ロシアが北方に開拓地を建設し、スペインに対抗する動きを見せました。これに対抗するため、スペイン人はカリフォルニアへの定住を始め、サンディエゴに最初の伝道所を建設しました。1782年には、フニペロ・セラ神父がベンチュラに9番目の伝道所を設立しました。

メキシコの独立とカマリロの誕生

1820年代初頭、メキシコはスペインから独立し、カリフォルニアも一時的にメキシコと連合しました。1824年には土地譲渡システムが自由化され、広大な土地が生まれました。1837年には、ホセ・ペドロ・ルイスによってランチョ・カレグアスが作られ、現在のカマリロ市に相当する地域となりました。その後、この土地は1834年にイハル・パドレス遠征の一員となったファン・カマリロに売却されました。彼の息子であるアドルフォとファンは、町の創設に貢献し、その功績からカマリロという地名が付けられました。

スプリングビル

カマリロの西側には、かつてスプリングビルという町が存在しました。1875年から1903年にかけて営業していたスプリングビル郵便局は、当時ベンチュラ郡に17ヶ所あった郵便局の一つでした。しかし、サザン・パシフィック鉄道のコースト線がカマリロ付近に駅を建設したことで、スプリングビルの存在は薄れていきました。

第二次世界大戦後の発展

第二次世界大戦中、カマリロの西側にオックスナード陸軍航空基地（現在のカマリロ空港）が建設されました。また、近隣にはポイント・マグー海軍航空基地やポート・ワイニミ海軍シービー基地といった新たな基地が開設され、多くの労働者やその家族が移住してきました。戦後、オックスナード陸軍航空基地は閉鎖されましたが、海軍施設は残り、朝鮮戦争や冷戦の影響で、旧オックスナード陸軍航空基地は1951年にオックスナード空軍基地として復活しました。

ベンチュラ・フリーウェイの開通

1950年代半ばには、ロサンゼルスからカマリロまでを結ぶベンチュラ・フリーウェイが開通し、アクセスが容易になりました。この道路の完成により、カマリロの成長は加速し、1962年には人口が7,500人を突破しました。また、3MがMincom部門や磁気テープ部門を設立し、地域の主要な雇用主となりました。

市の法人化

1964年、カマリロは市として法人化されました。これにより、都市計画や建築基準法が整備され、急速な拡大を制御することが可能になりました。1960年代には、近隣の基地に配置されていた退役軍人が多く移住し、温暖な気候と住みやすい環境が彼らを惹きつけました。

カマリロ州立精神病院とカリフォルニア州立大学チャンネルアイランド校

1930年代、カマリロ州立精神病院が設立され、精神病患者や結核患者の治療が行われました。この病院は、ジャズミュージシャンのチャーリー・パーカーの楽曲「Relaxin' at Camarillo」のモチーフにもなっています。1990年代に病院は閉鎖されましたが、2002年にはカリフォルニア大学チャンネルアイランド校が開校し、新たな歴史を刻み始めました。

地理と気候

カマリロは、北緯34度14分西経119度2分に位置し、オックスナード平原の東端、プレザントバレーにあります。温暖な地中海性気候で、年間を通して寒暖の差が小さく、過ごしやすいのが特徴です。

現在のカマリロ

現在、カマリロは大規模な住宅街や小学校、ショッピングモールなどが立ち並ぶベッドタウンとして発展しています。また、カマリロ・プレミアム・アウトレットなどの商業施設も充実しており、地域経済を支えています。市は、プレザントバレー・レクリエーション＆公園地区（PVRPD）を中心に、公園やレクリエーション施設の維持管理にも力を入れています。カマリロは、歴史と自然が調和した、魅力的な都市として、多くの人々に愛されています。

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