3M

3M Companyの概要と革新的製品

3M Company（スリーエム）は、アメリカ合衆国ミネソタ州セントポール郊外のメープルウッドに本拠を構える、国際的な化学および電気素材メーカーです。この企業は1902年にミネソタ州トゥーハーバーズで設立され、数回の本社移転を経て、1906年に現在のメープルウッドに移転しました。かつては「Minnesota Mining & Manufacturing Co.」というフルネームでしたが、2002年に「3M Company」と短縮されました。

3Mは、多くの経営学者にとって研究対象となる企業であり、著名な書籍にもその経営手法が取り上げられています。特に「15パーセントカルチャー」と呼ばれるこの企業の特徴的な方針は、従業員が勤務時間の15%を通常業務から離れて自由に活動できるというものです。これは、社員の創造性を高めるための重要な取り組みとされています。

日本では、3M社が75%の出資を行い、住友電気工業が25%を出資する形で設立された「住友スリーエム」が、3Mの最大系列会社となりました。2014年に住友電気工業が持っていた株式を買い取ることで、スリーエムジャパン株式会社として100%子会社となりました。

3Mの革新と製品

3Mは多くの革新的な製品を世に送り出しています。特に知名度が高いのは、身近にある日用品で、これらの製品は広く普及しています。

耐水ペーパーとマスキングテープ

3Mの祖業は研磨剤の製造であり、1921年に耐水性サンドペーパー（3M™ Wetordry™）を特許取得し、販売を開始しました。この新技術は、自動車ボディの塗装仕上げに用いられるようになり、作業環境を改善しました。

1925年には、リチャード・ドリューによってマスキングテープが開発されました。彼は、塗装職人が抱えるマスキングの課題を解決するために開発し、この結果、Scotch® ブランドのテープ製品が生まれました。

セロハンテープと反射テープ

また、1930年にはセロハンテープが発明され、包装業界に革命をもたらしました。それを受けて、1938年には夜間でも視認性の高い再帰反射シート、スコッチライト（Scotchlite™）が開発され、道路標識に利用されました。

スポンジとナイロンたわし

1958年には、スチールウールの欠点を克服したナイロン製のたわし、スコッチブライト（Scotch-Brite™）が誕生し、家庭でも幅広く使われています。

その他の画期的な製品

1961年には、医療用テープのMicropore™ Surgical Tapeが登場し、医療の分野でも活躍しています。また、ポストイット（Post-it® Notes）などの付箋紙や、衣料用断熱材シンサレート（Thinsulate™）といった製品も広く利用されています。特にポストイットは、発売当初から多くの色が展開され、現在も愛されている商品です。

3Mの社会貢献と役割

近年では、新型コロナウイルスの流行によって、3MはN95マスクの重要な供給者となり、医療現場への貢献が求められました。このように、3M Companyは革新的な製品を通じて、さまざまな分野で社会に影響を与えています。さらに、企業の倫理観に基づき、適正価格の維持にも力を入れています。

3Mは、これからもその技術力と革新性を活かし、さらなる製品の開発を進めていくことでしょう。

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