カモン カモン

『カモン カモン』

概要

『カモン カモン』（原題：C'mon C'mon）は、2021年に製作されたアメリカ合衆国のドラマ映画です。本作はマイク・ミルズが監督と脚本を担当し、ホアキン・フェニックスが主演を務めました。共演にはウディ・ノーマン、ギャビー・ホフマンらが名を連ねています。物語は、独身のラジオ・ジャーナリストが、突然預かることになった甥との旅を通じて、予期せぬ繋がりと絆を深めていく姿を全編白黒の映像で繊細に描き出します。批評家から高い評価を受け、現代における家族や人との関係性を問いかける作品として注目されました。

物語

主人公ジョニーは、ラジオ局で働くジャーナリストとして、新たな取材旅行を計画していました。しかしその矢先、妹のヴィヴから、彼女の幼い息子である甥のジェシーの世話を頼まれてしまいます。当初は戸惑いながらも、ジョニーはジェシーを伴って取材の旅に出ることを決意します。アメリカ各地を巡る旅の中で、性質の異なる二人は共に時間を過ごし、少しずつ互いの存在を受け入れていきます。共同生活を送る中で生まれる小さな衝突や、時に見せる無邪気な好奇心、そして互いへの理解。旅を通じて、血の繋がりだけではない、新たな家族の形とも呼べる絆が静かに育まれていきます。

キャスト

• - ジョニー：ホアキン・フェニックス
• - ヴィヴ：ギャビー・ホフマン
• - ジェシー：ウディ・ノーマン
• - ロクサーヌ：モリー・ウェブスター
• - フェルナンド：ジャブーキー・ヤング＝ホワイト
• - ポール：スクート・マクネイリー

製作と背景

本作の企画が進む中で、主要キャストが決定していきました。主演のホアキン・フェニックスがマイク・ミルズ監督の新作に参加することが初めて報じられたのは2019年9月19日のことでした。同年10月11日には、ヴィヴ役としてギャビー・ホフマンが出演交渉に入っていることが伝えられ、そしてジェシー役にウディ・ノーマンが決定したことが2020年2月11日に発表されました。監督であるマイク・ミルズは、家族の関係性や人間の内面に深く切り込む作風で知られており、本作もまたそのテーマ性を継承しています。

撮影と音楽

主要な撮影は、2019年11月4日にニューヨークで始まり、2020年2月に終了しました。撮影はニューヨークだけでなく、ロサンゼルス、デトロイト、ニューオーリンズといったアメリカ各地の都市で行われました。これらのロケーションが、主人公たちの旅の風景を豊かに彩っています。本作の音楽は、アーロン・デスナーとブライス・デスナーの兄弟が担当しました。彼らが楽曲を手がけることは、2021年7月20日に報じられています。

公開と評価

本作は、公開に先駆けていくつかの映画祭で上映されました。2021年9月2日にはテルライド映画祭でプレミア上映が行われ、10月4日にはニューヨーク映画祭でも上映されました。全米では、同年11月19日に5館という限定公開ながら封切られました。公開初週末には13万4447ドルの興行収入を記録し、週末ランキングで初登場19位となりました。

本作は批評家から極めて高い評価を受けています。映画批評を集積するウェブサイト、Rotten Tomatoesには201件のレビューが寄せられ、94%という高支持率を獲得し、平均点は10点満点中8.0点でした。サイトの批評家総意では、マイク・ミルズ監督の人間味あふれる演出が高く評価され、特に主演のホアキン・フェニックスとウディ・ノーマンが見せた素晴らしいケミストリーが、本作がありふれた設定から感動的なドラマを生み出す大きな要因となったと指摘されています。また、別の批評集積サイトであるMetacriticでも、43件のレビューに基づいた加重平均値が100点満点中82点となり、概ね絶賛という評価が示されています。白黒映像という選択も、作品の世界観や登場人物の内面描写に深みを与えていると評価されています。

もう一度検索