カラシ (バンド)

カラシ (Quarashi) - アイスランド発、ジャンルを超越するラップコアのパイオニア

カラシは、アイスランドのレイキャビクで結成されたラップコア・バンド/ヒップホップグループです。その音楽性は、ラップ、ロック、ハードコア、テクノ、ファンク、インダストリアルなど、多岐にわたるジャンルを融合した独自のサウンドが特徴です。レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンやエミネムと比較されることもありますが、彼らの音楽には、他の追随を許さないオリジナリティが息づいています。

メンバー構成

ホッシー・オラフソン: フロントマン兼リードヴォーカル
タイニー: ラップ
オマール・スウェーズ: ラップ
ステイニー・アカ・ストーニー: ラップ
* ソルビー・ブロンダール: グループのリーダー、プロデューサー、トラックメイカー、キーボード、パーカッション、ドラム

過去には、ヴァダー・ハコン・ギズラソン（ギター）、ゴーカー・アルファーソン（ベース）、DJマジック（DJ）がライブメンバーとして参加していました。

カラシの歴史

結成前夜

ソルビーとオマールは、幼少期にアイスランドの米軍基地に対する抗議活動で出会い、その後、様々なロック、パンク、ヘビーメタルのバンドで活動を共にしました。ステイニーは、スケーターとして数々の大会で優勝するほどの腕前を持ち、レイキャビク周辺では有名なグラフィティ・アーティストとしても知られていました。ソルビーは、パンクロックバンド「2001」のドラマーとして活動する傍ら、スタジオでの音楽制作に傾倒し、2001を脱退後、ラップ・ミュージックの制作を開始。同時期に、ソルビーはステイニーと出会い、意気投合した二人は共同でラップ制作を始めました。その後、ソルビーはかつてのバンド仲間であったホッシー・オラフソンをグループに誘い、1996年、カラシが結成されました。

本国での成功

1996年、カラシはデビューシングル「Switch Stance」をリリースし、アイスランドのチャートで首位を獲得。翌年には、デビューアルバム「QUARASHI」、1999年にはセカンドアルバム「Xeneizes」をリリースし、どちらもゴールドアルバムに認定されるという快挙を成し遂げました。この間、彼らは精力的なライブ活動を展開し、その知名度を高めていきました。

全米デビューとメンバーの脱退

2002年、カラシは全米デビューアルバム「JINX」をリリース。このアルバムには、シングルカットされた「Stick 'Em Up」と「Mr. Jinx」という2つのヒット曲が収録されており、全米チャートで104位を記録しました。アルバムリリース後には、Warped Tourでアメリカを横断し、サマーソニック2002で日本デビューも果たしました。しかし、その矢先、バンドの中心メンバーであったホッシーが、学業への復帰を理由に突然脱退。カラシは、急遽ジャパン・ツアーをキャンセルせざるを得なくなりました。

新生カラシ、そして解散へ

ホッシー脱退後、カラシは新たなラッパーを探し、オーディションを経てタイニーが加入。2004年には、タイニーを擁する新生カラシとしてソニックマニアで来日を果たしました。しかし、2005年、ソルビーがバンド活動へのモチベーションを失ったことをきっかけに、カラシは解散。

解散後の活動

カラシのメンバーは、それぞれソロ活動を開始しました。ステイニーはKidrAmA名義でインストゥルメンタル・ミュージックの制作を開始。オマールは、グラフィック・デザインを専攻し、イラストレーターや映画ポスターのデザイナーとして活動。ソルビーは、経済学を学び、株式アナリストとして金融機関に勤務。タイニーは、ソロ活動を模索し、ホッシーは、ジャーナリストやコメディアンとして活動しています。

再始動、そして現在

2011年、カラシはオリジナルメンバーであるホッシーを含む5人で限定的に再始動。ベストアルバム「Anthology」をリリースし、ライブ活動も行いました。2014年には新曲「Rock On」を発表。2016年には、5人全員で新アルバムの制作を開始し、シングル「Chicago」をリリース。2021年には、未発表音源を含む限定ボックスセット「Greatest Tricks」のリリースを発表し、現在も活動を続けています。

カラシは、常に変化を恐れず、新たな音楽性を追求し続けるバンドです。彼らの音楽は、これからも多くのリスナーを魅了し続けることでしょう。

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