カラボボ州

カラボボ州：ベネズエラの工業の中心地と豊かな歴史

ベネズエラの中北部、バレンシア湖周辺の盆地と山岳地帯に位置するカラボボ州は、同国を代表する工業都市バレンシアを擁する重要な州です。ベネズエラ全土の州の中では面積は小さい方ですが、人口はズーリア州、ミランダ州に次ぐ3番目の多さを誇ります。2019年の推定人口は約254万3600人と、高い人口密度が特徴です。

地理的特徴：多様な地形と豊かな自然

カラボボ州の北部には、標高1000メートル級のコスタ山脈が連なり、その一部はサンエステバン国立公園として保護されています。山脈の北側は海岸地帯となっており、東部には重要な港湾都市プエルトカベジョ、西側にはヤラクイ川下流の低地が広がっています。山脈の南側にはバレンシア湖があり、その西側に広がる盆地にはベネズエラ第3の都市であるバレンシアが位置しています。州の南部は緩やかな丘陵地帯が続き、北部にはトリステ湾といった湾も見られます。

近隣地域：多様な接壤

カラボボ州は、北をカリブ海、東をアラグア州、西をヤラクイ州、南をグアリコ州とコヘデス州に接しています。西部の海岸地帯ではファルコン州ともわずかに接しています。このように、カラボボ州は地理的に多様な州と隣接し、複雑な地政学的関係を有しています。

産業構造：工業と農業の融合

カラボボ州の経済は、農業と工業の両輪で支えられています。バレンシアを中心とした工業地帯では、食品加工をはじめとした軽工業が盛んであり、生産された製品は国内外に輸出されています。プエルトカベジョ港は、この工業地帯の輸出入を支える重要な役割を担っています。農業も重要な産業であり、地元の食料生産を支えています。

交通網：効率的な物流システム

カラボボ州には、効率的な交通網が整備されています。プエルトカベジョから西へ伸びる鉄道は、ヤラクイ州とを結ぶ重要な交通路となっています。また、自動車道路は、アラグア州、ファルコン州、ヤラクイ州、コヘデス州へと通じており、州内外の交通を円滑にしています。グアリコ州へのアクセスは、アラグア州を経由する必要があります。

歴史と政治：激動の時代と安定への模索

カラボボ州は、ベネズエラの独立戦争において重要な役割を果たしました。1821年6月24日、シモン・ボリバル率いる独立軍がカラボボの戦いでスペイン軍に決定的な勝利を収めた場所として知られています。この戦いは、ベネズエラの独立にとって大きな転換点となりました。

政治的には、1989年からエンリケ・サラス・ロメルとその息子が州知事を務めていましたが、2004年の地方選挙で第五共和国運動のアコスタ・カルレスが当選し、政権交代が実現しました。その後、2017年10月20日からはラファエル・ラカヴァが州知事を務めています。

行政区分：多様な自治体

カラボボ州は、複数の市町村に細分化され、それぞれの市町村には独自の庁舎が設置されています。主要な市町村とその庁舎所在地は以下の通りです。

カルロスアルベロ市 - グイグエ
グアカラ市 - グアカラ
サンディエゴ市 - サンディエゴ
サンホアキン市 - サンホアキン
ディエゴイバラ市 - マリアラ
ナグアナグア市 - ナグアナグア
バレンシア市 - バレンシア
フアンホセモラ市 - モロン
プエルトカベジョ市 - プエルトカベジョ
ベフマ市 - ベフマ
ミランダ市 - ミランダ
モンタルバン市 - モンタルバン
リベルタドル市 - トクイト
ロスグアジョス市 - ロスグアジョス

カラボボ州は、豊かな歴史、多様な地理、そして活気ある経済活動を誇るベネズエラの重要な州です。今後も、その発展はベネズエラ全体の将来にとって重要な意味を持つでしょう。

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