カラン・ダッシュ

エマニュエル・ポアレ（カラン・ダッシュ）について

エマニュエル・ポアレ（Emmanuel Poiré）、通称カラン・ダッシュ（Caran d'Ache）は、1858年11月6日にロシアで生まれ、1909年2月25日にパリで没した、フランスの漫画家、風刺画家です。

生い立ちと軍歴

モスクワで生まれたポアレは、祖父がナポレオンのロシア遠征に従軍し、負傷してロシアに留まったという家系の出身です。1877年に父親が亡くなった後、フランスに移住し、フランス市民権を取得するため5年間軍務に就きました。軍務中には、軍の雑誌「La Vie militaire」にドイツ軍を揶揄する風刺画などを掲載しています。

カラン・ダッシュとしての活動

ポアレは、ロシア語で「鉛筆」を意味する「карандаш（karandasch）」をペンネームとして「カラン・ダッシュ」と名乗り活動しました。この言葉の語源は、トルコ語の「黒い石（kara-tasch）」に由来します。1880年には、アルベール・ロビダが編集する週刊新聞「La Caricature」で初めて風刺画を発表しました。

代表的な作品とドレフュス事件

カラン・ダッシュの有名な作品の一つに、1899年に新聞「フィガロ」に発表された戯画があります。この作品では、上品な家族が夕食中にドレフュス事件の話題になると、激しい議論に発展する様子が描かれています。

また、1898年には、仲間の画家ジャン＝ルイ・フォランとともに、反ドレフュス派の週刊風刺雑誌「Psst…！」を創刊しました。この雑誌は85号まで出版され、カラン・ダッシュとフォランの社会風刺や反ユダヤ主義的な風刺画が掲載されました。

スイスの筆記具メーカーとの関係

スイス最大の筆記具メーカーであるカランダッシュの社名は、この画家カラン・ダッシュに由来しています。

作品

カラン・ダッシュは数多くの風刺画や漫画作品を残しており、彼の作品は当時の社会情勢や風俗を反映しています。

まとめ

カラン・ダッシュは、風刺画家としてだけでなく、当時の社会情勢を鋭く捉え、作品を通して表現した重要な人物です。彼の作品は、今なお多くの人々に影響を与え続けています。

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