カランダッシュ

カランダッシュ (Caran d'Ache): スイスが誇る筆記具と画材の老舗

カランダッシュは、1915年に鉛筆工場として創業したスイスの総合ブランドであり、同国最大の筆記具メーカーです。万年筆、ボールペン、色鉛筆などの筆記具から、ライター、革小物、バッグまで、幅広い製品を製造・販売しています。

ブランド名は、ロシア生まれのフランス人風刺画家、カラン・ダッシュ（エマニュエル・ポアレの雅号）に由来し、ロシア語で「鉛筆」を意味する「карандаш」にちなんでいます。

歴史

1915年: エクリドール鉛筆製造所がジュネーヴに設立。
1924年: アーノルド・シュバイツァーが事業を継承し、「カランダッシュスイス鉛筆製造所」として再出発。
1929年: 世界初の完全金属製メカニカルペンシル「フィックスペンシル」を開発。六角形デザインの「エクリドール」として発売。
1953年: ボールペンを販売開始。
1972年: ローラーボールを販売開始。
1974年: 高い製造技術とデザイン性を持つライターを販売開始。
1999年: 「ラ・モデルニスタダイヤモンド」を発表。「世界で最も高級な筆記具」としてギネス世界記録に認定。
2007年: 1本2000万円の超高級万年筆『1010』を発売。世界限定10本で、日本には1本のみ輸入。
2008年: 『1010』がPEN WORLD誌の『PEN OF THE YEAR』を受賞。
2009年: 日本初のフラッグシップ店として、丸の内本店をオープン。
2010年: 1本1億円の超高級万年筆『1010ダイアモンド』を発売。正規価格製品としては万年筆史上最高額とみられる。
2015年: 筆記具・画材を揃えたフラッグシップ店『カランダッシュ銀座ブティック』をオープン。
2018年: カランダッシュ公式オンラインストアをスタート。
2019年: 画材の日本総輸入代理店がホルベイン画材からカランダッシュジャパン(株)に移行。
2020年: 849コレクションのカスタマイゼーションサービスを銀座ブティックで開始。

特徴

カランダッシュの製品は、スイス・ジュネーヴの自社工場で一貫生産されており、厳格な品質管理が行われています。メッキ加工においても、金・銀メッキの厚みは他社製品の約2倍にも達します。

日本では、高級筆記具メーカーとして知られていますが、かつてはライターや高級バッグのメーカーとしても名を馳せていました。スイスでは、高級ラインから子供向けの入門ラインまで、幅広い画材を提供するメーカーとして親しまれています。

日本でも、高級ラインだけでなく、比較的手頃な価格の文具コレクションも展開しており、その高い技術力と先進的なデザインを気軽に楽しむことができます。

主な製品ラインナップ

高級筆記具

エクリドールコレクション
レマンコレクション
バリアスコレクション

これらの主要ラインに加え、富裕層向けオートクチュール製品や、各国政府機関への特注品など、多岐にわたる製品が存在します。

その他の筆記具

オフィスライン
849コレクション
888コレクション
アルケミクスコレクション

油性ペンのレフィルには、大容量の「ゴリアット・カートリッジ」が使用されています。

ライター

カランダッシュのライターは、カルティエ、ダンヒル、S.T.デュポンと並ぶ四天王と評されており、予備タンク付きという特許機構が特徴的です。

画材

カランダッシュの色鉛筆は、高純度の顔料による鮮やかな発色と耐光性が特徴です。美術系の学生やプロフェッショナルに愛用されていますが、子供や初心者向けの製品も展開しています。
スイスでは小学校入学時の支給品として指定されるなど、国民的なブランドとして親しまれています。

カラーラインナップ
ディスカバーライン: 初心者から一般向け（スイスカラー）
クラシックライン: 一般向け（スプラカラー・パブロ・ネオカラーⅠ・ネオカラーⅡ）
プリズマロ: 一般向け
エキスパートライン: 専門家向け（ルミナンス6901・ミュージアムアクアレル・ネオパステル・ネオアート）
デッサン: 専門家向け（アートバイカランダッシュ）

モノクロラインナップ
グラファイトライン（グラフウッド・グラフキューブ・グラフストーン・テクナロ・チャコール・テクノグラフ）

ジュニア向けラインナップ
ジュニアライン（ジュニア・ジュニアミニ・ジュニアトライアングル・ジュニアジャンボ・ブルー・スイスフラッグ）

カランダッシュは、その歴史と伝統に裏打ちされた技術力と、革新的なデザインによって、世界中の人々に愛され続けています。

画像

（画像は省略）

外部リンク

カランダッシュ公式(スイス本社)
カランダッシュジャパン公式(日本現地法人)
ホルベイン画材(画材の販売代理店)

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