カラー・オブ・ハート

カラー・オブ・ハート (Pleasantville)

『カラー・オブ・ハート』は、1998年に公開されたトビー・マグワイア主演のファンタジー映画です。ゲイリー・ロスが監督を務め、スティーヴン・ソダーバーグが製作に参加。若き日のトビー・マグワイアとリース・ウィザースプーンが共演し、モノクロの世界が色鮮やかに変化していく様子が見どころとなっています。

あらすじ

1998年、高校生のデイビッドとジェニファーは、テレビのリモコンを巡って喧嘩し、リモコンを壊してしまいます。すると、修理工の老人が現れ、不思議なリモコンを渡します。そのリモコンを使うと、2人は50年代の白黒テレビドラマ『プレザントヴィル』の世界に入り込んでしまいます。

プレザントヴィルは、全てが白黒で、同じ毎日が繰り返される世界。住民は純粋で世間知らずで、犯罪もドラッグも不倫もセックスもない、完璧な理想郷のような町です。デイビッドとジェニファーは、両親らしきジョージとベティの子供として、その世界で暮らすことになります。

現代っ子のジェニファーは、時代遅れの環境に嫌気が差しますが、デイビッドはダイナーでアルバイトを見つけ、充実した日々を送ります。ある日、ジェニファーはバスケ部キャプテンのスキップと性行為を行い、その行動がプレザントヴィルの世界に変化をもたらします。ジェニファーが持ち込んだ現代の価値観が、プレザントヴィルの人々に影響を与え、白黒の世界に色がつき始めるのです。

デイビッドは、自分たちがプレザントヴィルの世界に影響を与えてしまうことを恐れ、ジェニファーを止めようとします。しかし、変化に興味を持つティーンエイジャーたちを見て、デイビッド自身も周囲の人々に新しい考え方や知識を広め始めます。

しかし、変化を好まない保守的な男性たちは、デイビッドとジェニファーが持ち込んだ価値観が、町の秩序やモラルを崩壊させると恐れます。町は次第に、変化を受け入れる「カラーの」人々と、変化を嫌う「白黒の」人々の間で対立を深めていきます。

テーマ

『カラー・オブ・ハート』は、単なるコメディではなく、アメリカが内包する様々な価値観の対立を描いた寓話として解釈できます。監督のゲイリー・ロスは、個々人の抑圧された意識が、大きな政治的な抑圧につながると語っています。映画には、ロックミュージック、現代文学、現代絵画、ナチズムや人種差別などの歴史的出来事など、様々な引用が用いられています。

これらの引用を通して、保守主義と進歩主義の対立を鮮やかに描き出し、変化や多様な価値を肯定的に描写しています。

キャスト

デイビッド: トビー・マグワイア
ジェニファー: リース・ウィザースプーン
ジョージ: ウィリアム・H・メイシー
ベティ: ジョアン・アレン
ビル: ジェフ・ダニエルズ
スキップ: ポール・ウォーカー

スタッフ

監督: ゲイリー・ロス
音楽: ランディ・ニューマン
製作: スティーヴン・ソダーバーグ

音楽

映画には、フィオナ・アップルの「Across The Universe」や、エルヴィス・プレスリーの「(Let Me Be Your) Teddy Bear」など、様々な楽曲が使用されています。

評価

レビューサイトRotten Tomatoesでは85%の支持率を獲得し、Metacriticでは71/100のスコアを得ています。

関連情報

カラー・オブ・ハート - allcinema
カラー・オブ・ハート - KINENOTE
Pleasantville - オールムービー（英語）
* Pleasantville - IMDb（英語）

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