カリフォルニア (戦艦)

アメリカ海軍戦艦「カリフォルニア」(USS California, BB-44)の詳細

「カリフォルニア」は、アメリカ海軍のテネシー級戦艦の2番艦であり、その名が示す通りカリフォルニア州にちなんで命名されました。テネシー級戦艦に分類されますが、資料によっては「カリフォルニア」をネームシップとするカリフォルニア級戦艦として扱われることもあります。アメリカでは、テネシー級2隻とコロラド級戦艦3隻を合わせて「ビッグ5」と呼んでいました。この艦は、その後の太平洋戦争において、数々の重要な作戦に参加することになります。

真珠湾攻撃と大改装

1941年12月7日、真珠湾攻撃において、「カリフォルニア」は南雲機動部隊の空襲を受け、甚大な被害を受けました。フォード島桟橋の戦艦通りに停泊中、雷撃と爆撃により深刻な損傷を被り、着底する事態となりました。しかし、この損傷を機に、大改修が行われ、サウスダコタ級戦艦に類似した艦型へと生まれ変わります。速力以外は新世代戦艦に匹敵する性能を手に入れ、1944年1月に再就役を果たしました。

太平洋戦争での活躍

再就役後、「カリフォルニア」は太平洋戦争の終盤における数々の作戦に参加しました。上陸作戦においては、その強力な砲撃能力を活かして対地支援を行い、レイテ沖海戦では西村艦隊と砲火を交えました。1945年1月にはリンガエン湾攻略作戦中に特攻機の攻撃を受け損傷しましたが、応急修理後、沖縄戦にも参加しています。太平洋戦争終結後、予備役となり、1959年にその長い艦歴を終えました。

艦歴の詳細

1916年10月25日に起工し、1921年8月10日に就役した「カリフォルニア」は、就役後、太平洋艦隊の旗艦として活躍しました。1921年から1941年まで、戦闘艦隊の旗艦を度々務め、共同演習や戦術演習、艦隊戦術の開発に従事しました。1925年には、戦艦部隊などを率いてオーストラリアやニュージーランドへの親善訪問も行っています。

1929年から1930年にかけて近代化改装を受け、対空砲が増設されました。1940年には、母港を真珠湾に変更しています。真珠湾攻撃時、戦艦通りの南東側に係留されていた「カリフォルニア」は、他の戦艦と共に日本軍の空襲を受けました。特に、最初に雷撃と爆撃を受けたことで大きな被害を受け、乗組員の多くが死傷しました。しかし、その後の乗組員の懸命なダメージコントロールにより、転覆は免れることができました。

1942年3月25日に浮揚され、応急修理後、ピュージェット・サウンド海軍工廠で大規模な改修工事を受けました。装甲強化や安定性の向上、対空砲の増設、火器管制システムの装備などが施され、以前とは見違えるほどの性能を持つようになりました。

1944年1月31日に改修を終えた「カリフォルニア」は、マリアナ諸島攻防戦やサイパン、グアム、テニアンの各島への支援射撃に参加。同年10月にはレイテ沖海戦にも参加しています。

1945年のルソン島上陸作戦では、艦砲射撃で上陸部隊を支援中、特攻機の攻撃を受け大きな被害を受けますが、その後も沖縄戦に参加するなど、終戦まで活躍を続けました。

終戦後は、各地を巡り、1946年8月7日に予備役となり、1947年2月14日に退役しました。1959年、老朽化のため解体処分となりました。

「カリフォルニア」の意義

「カリフォルニア」は、真珠湾攻撃で甚大な被害を受けながらも、その後の大改修によって戦力として復活し、太平洋戦争の終結まで戦い抜いた、アメリカ海軍の象徴的な存在と言えるでしょう。その活躍は、アメリカ海軍の不屈の精神を示すとともに、戦艦という兵器の進化を語る上で欠かせない存在です。


参考資料:
ドナルド・Ｍ・ゴールドスチン、キャサリン・V・ディロン、Ｊ・マイケル・ウェンジャー『パール・ハーバー THE WAY IT WAS：ＰＥＡＬ ＨＡＲＢＯＲ』
ジョン・ジョーダン『戦艦 AN ILLUSTRATED GUIDE TO BATTLESHIPS AND BATTLECRUISERS』
A・J・バーガー『PEARL HARBOR パールハーバー われ奇襲に成功せり』
ゴードン・プランゲ『トラ トラ トラ 《新装版》 太平洋戦争はこうして始まった』

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