カリフォルニア芸術大学

カリフォルニア芸術大学（California Institute of the Arts, CalArts）は、1961年に設立されたアメリカ合衆国カリフォルニア州サンタクラリタのバレンシアに本部を置く私立大学です。シュイナード芸術学校とロサンゼルス音楽学校の統合から誕生し、1971年には現在のキャンパスに移転しました。視覚芸術と舞台芸術の両方の学位を授与するアメリカ最初の高等教育機関という歴史を持ち、現在もアメリカ国内で高い評価を得ている芸術大学の一つです。

CalArtsは、美術学士（BFA）、美術修士（MFA）、音楽学博士（DMA）といった学位プログラムを提供しています。さらに、既に修士レベル以上のスキルを持つ学生向けの高等免状（Advanced Certificate）も用意されています。音楽、美術、ダンス、映画・ビデオ、演劇、クリエイティブライティングといった幅広い分野を網羅しており、視覚芸術、舞台芸術に加え、1994年からは文芸も含まれています。

特に音楽科は、作曲と演奏の両面で現代[[音楽]]とコンピューター音楽に重点を置いた先進的なカリキュラムが特徴です。伝統的なクラシック音楽は、多様な音楽ジャンルの一つとして位置付けられており、世界音楽の視点を取り入れた、アジアやアフリカの音楽文化を学ぶプログラムも充実しています。アフリカの音楽と舞踊、バリ島とジャワ島の音楽、北米原住民の音楽といった分野で修士号を取得することも可能です。

映画・ビデオアート関連のプログラムは、ロサンゼルス近郊という地理的優位性を活かし、映画産業との連携が容易であることも強みです。カリフォルニア大学ロサンゼルス校やサンディエゴ校、南カリフォルニア大学など近隣の大学との連携も活発に行われています。

CalArtsは、優れた講師陣と充実した設備を誇り、数多くの著名な音楽家、美術家、映像作家、ダンサー、演出家、脚本家、俳優などを輩出しています。2014年にはニューヨークのアートギャラリーArtspaceが、CalArtsのMFAプログラムを米英圏で最も影響力のあるトップ10に選出。2011年にはNewsweek/Daily Beast誌が、アメリカの芸術関連大学で1位にランク付けするなど、その高い教育水準が認められています。

CalArtsが設立された背景には、「芸術のCaltech」とも言うべき、分野横断的な研究教育機関の構想がありました。近隣に位置するカリフォルニア工科大学（Caltech）と大学の名称の類似性も、この構想を表しています。

CalArtsは、REDCAT（Roy and Edna Disney/CalArts Theater）という展示・公演スペースも運営しています。ロサンゼルスの中心部に位置するこの施設は、建築家フランク・ゲーリーの設計によるもので、コンサートホール、展示スペース、書店、ラウンジなどを備えています。実験的なダンス、演劇、音楽、映画作品などを世界中から集め、一般市民にも広く公開しています。

このように、CalArtsは歴史と伝統、そして革新性を兼ね備えた、世界に誇る芸術大学として、現代芸術シーンに大きな影響を与え続けています。多くの卒業生が、世界中で活躍していることも、その証と言えるでしょう。

もう一度検索