カリヨンの戦い

カリヨンの戦い

カリヨンの戦い（英: Battle of Fort Carillon、仏: Bataille de Fort Carillon）は、1758年に行われたフレンチ・インディアン戦争中の重要な戦闘です。この戦闘は、アメリカのニューヨーク州タイコンデロガ近くで起こり、さらなる英仏間の激しい対立を象徴しています。

戦闘の背景

戦いは、フランス側のルイ＝ジョゼフ・ド・モンカルム将軍が指揮する約4,000人の軍勢と、イギリス側のジェームズ・アバークロンビー将軍が率いる約16,000人の兵士との間で展開されました。イギリス軍は数で圧倒していたものの、フランス軍は戦略的な地形を活かし、防御に成功しました。

カリヨン砦は1755年に建設が始まり、その立地は防御に適していました。周囲には戦略的な丘もあり、砦側からの攻撃が可能でした。イギリス軍はそれにもかかわらず、正面からの奇襲を試みるという誤判断を犯しました。

戦事の経過

7月6日、イギリス軍はジョージ湖の北岸に上陸を開始し、フランス側は兵力不足を抱えていました。しかし、モンカルムは戦略を巧妙に展開し、敵の進攻を遅滞させました。イギリス軍が7月8日に戦闘を開始した際、フランス軍は構築した防御によってイギリス軍の攻撃をしっかりと食い止めました。

アバークロンビーは戦闘が始まる際、敵の陣形に対する情報を過信し、直接の戦闘に突入。しかし、その攻撃は思ったように成功せず、多くの兵士が犠牲になりました。特に第42歩兵連隊（ブラックウォッチ）は多くの戦死者を出しました。

戦闘結果と影響

最終的に、カリヨンの戦いはフランス軍の勝利となり、イギリス軍は撤退を余儀なくされました。この戦闘は、アバークロンビーにとって初めての戦指揮であり、以後の彼の軍事キャリアにおいても大きな影を落としました。特に、彼の判断ミスや準備不足は、多くの歴史家によって批判されました。

また、この戦いは、英仏戦争の戦略に大きな影響を与えました。フランス軍は一時的に優位に立ったものの、戦争全体ではこれが転機に繋がることとなり後の戦いにも影響を及ぼしました。行き過ぎた自信が原因で、戦闘範囲を広げるイギリス軍の苦闘は、彼らにとっての教訓となったのです。

戦死者・負傷者

カリヨンの戦いによる死傷者は両軍合わせて3,000人以上に上ると言われ、特にイギリス軍の被害は深刻でした。戦後、イギリスは兵士の士気低下や連携の欠如が指摘され、今後の戦略についての見直しが求められることとなります。

このように、カリヨンの戦いは単なる戦闘の枠を越え、フレンチ・インディアン戦争全体の流れに少なからぬ影響を持っていました。それは後の北アメリカの歴史を形作る要因ともなり、現在でも広く研究され続けています。

もう一度検索