カリーンの剣

『カリーンの剣』は、1987年にスクウェアDOG（開発はクリスタルソフト）から発売されたファミリーコンピュータディスクシステム用のアクションロールプレイングゲームです。

ゲーム概要

見下ろし型のマップを探索し、移動中のモンスターと接触すると戦闘画面に移行する形式を採用しています。戦闘は体当たりで行われ、敵を全滅させるか、またはプレイヤーが全滅するまで終わることがありません。戦闘から逃げることはできません。

戦闘開始まで敵の数が分からないため、多数の敵に遭遇した際は、囲まれないように移動する戦略が求められます。

クイックセーブシステム

フィールドマップ上であればどこでも使用できる「クイックセーブ」という簡易記録システムを搭載しています。プレイヤーがゲームオーバーになった場合、クイックセーブした場所からゲームを再開できます。

ただし、データはRAM内に一時的に記録されるため、電源を切ると内容は消去されます。ゲームを中断する際は、ディスクカードへの記録が必要です。当時の広告では、「0.08秒のクイックセーブ」というキャッチフレーズで宣伝されていました。

その他の特徴

当時のファミコンソフトとしては珍しく、プレイヤーの名前登録時にひらがなとカタカナを混合して使用できます。

ストーリー

平和なアリタニア王国に突如魔物が現れ、国は混乱に陥ります。この事態を解決できるのは、行方不明となった魔術師「グラドリフ」のみ。国王は一人の勇者に、グラドリフの捜索を依頼します。

舞台

アリタニア城
地上世界
ニルラグの街
アーレム城
レンの世界

登場キャラクター

地上世界には、ゾンビ、スケルトン、ゴブリン、オーク、インセクト、シェーカー、グール、ミニー、ボーンゴーレム、ロックリザード、パラドン、デンヤグ、クラブハガー、カラコルム、デミデーモンなどのモンスターが登場します。

レンの世界には、クリスビースト、クリスウォーリア、リザードマン、デーモン、アスピック、サイクロップス、サンドワーム、シュバク、ヒドラ、ドラゴネット、ラバクリチャー、ガーゴイル、ネールルール、バーリック、フライヒドラ、ワイバーンなどのモンスターが登場します。

レンの世界の洞窟内には、アイスライム、シャーゴ、スライムイーター、チル、スピリット、ワイト、ストローパー、ロックガルなどのモンスターが登場します。

レンの世界の中央洞窟内には、ジャー、ボーンウルフ、グノール、コロッサス、ストーム、ヘルエンジェル、ファルシスト、デーモンロード、グラドリフなどのモンスターが登場します。

開発

開発はクリスタルソフトが担当しました。クリスタルソフトは、PC向けに『夢幻の心臓』や『リザード』などのロールプレイングゲームを多数開発していましたが、『ソード・ワールドPC』の開発中に経営難となり、T&Eソフトに吸収されました。その後、『ソード・ワールドPC』はT&Eソフトから発売され、スーパーファミコン用としても『ソード・ワールドSFC』としてシリーズ化されました。本作は、後に人気シリーズとなる『ソード・ワールドRPG』の原点とも言える作品です。

評価

ゲーム雑誌『ファミコン通信』のクロスレビューでは、40点満点中25点という評価を受けています。レビュアーからは、「ゲーム序盤が最も難しいが、そこを乗り越えれば面白くてどんどん引き込まれる」という意見がありました。

ゲーム雑誌『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票による「ゲーム通信簿」では、25点満点中16.54点という評価でした。また、同誌の「ファミコンディスクカードオールカタログ」では、「当時としては画期的なクイックセーブ機能が搭載されていた」と紹介されています。

ゲーム誌『ユーゲー』では、「フィールド上で敵に遭遇すると戦闘シーンに突入するが、移動シーンとの見分けがつきにくいため、気づいたら死んでいることも多い」、「クイックセーブや敵に体当たりするだけの戦闘システムなど、快適にプレイするための機能こそ盛り込まれているが、ゲームバランスの悪さや先に進むためのヒントの乏しさなどもあってセールスが伸び悩み、DOGの元締めでもあるスクウェアのディスクタイトルに不信感を抱くきっかけとなってしまった不遇のタイトル」と評されています。

関連作品

ファミリーコンピュータゲーム必勝法シリーズ49 カリーンの剣（1987年、勁文社） - 見田竜介による漫画が掲載
* 必勝完ペキ本カリーンの剣（1987年、徳間書店）

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