カルチョ・フィオレンティノ

カルチョ・フィオレンティノについて

カルチョ・フィオレンティノ（Calcio storico fiorentino）は、16世紀のイタリアで誕生した初期のフットボールの一形態です。このスポーツはフィレンツェのサンタ・クローチェ広場で行われ、その名は「giuoco del calcio fiorentino」や単に「calcio」として広まりました。特に「カルチョ」は、後にイタリア語でサッカーを指す言葉となりました。

ルールとプレイスタイル

カルチョの公式ルールは1580年にジョヴァンニ・デ・バルディ伯爵によって初めて策定されました。このスポーツは、27人から成るチームによってプレイされ、選手は足と手を使いながらボールを競技場の周囲に設置された指定のゴールに投げ入れることで得点を目指します。競技場は、細長いスリットが設けられた広大な砂場であり、試合を進行するための主審が1人、線審が6人、さらに1人のフィールドマスターが配置されます。

各試合は50分間行われ、最も多くの得点を上げたチームが勝者となる仕組みです。卓越した体力と戦略が求められるこのスポーツでは、選手間の肉体的な接触が必然的に多くなることが特徴です。

歴史と復興

カルチョは、その起源となる16世紀以来裕福な貴族の間で人気を博し、公現祭や四旬節の期間中に盛んに行われました。なんと、教皇たちもこのスポーツを楽しんでおり、クレメンス7世やレオ11世、ウルバヌス8世などがプレイヤーとして名を連ねています。

しかし、カルチョは200年以上の間行われなくなり、その後20世紀に入って1930年に復活を遂げました。現代においてもサンタ・クローチェ広場では、毎年6月の第3週に3試合が行われる伝統が続いています。

現代の大会

現在の大会形式では、4つのチームが参加します。初めの2試合でそれぞれのチームが対戦し、勝者がフィレンツェの守護聖人である聖ジョヴァンニの日である6月24日に行われる決勝に進みます。参加チームは以下の通りです。

• - Santa Croce / Azzurri（青）
• - Santa Maria Novella / Rossi（赤）
• - Santo Spirito / Bianchi（白）
• - San Giovanni / Verdi（緑）

現代版のカルチョでは、ヘッドバットやパンチ、肘打ち、首締めといった攻撃は許可されていますが、不意打ちや頭部への蹴りは禁止されています。これにより、試合はよりダイナミックで観客を魅了するものとなっています。

カルチョ・フィオレンティノはただのスポーツを超え、フィレンツェの文化と歴史を象徴する存在となっており、毎年多くの観光客がこの伝統行事を楽しむためにフィレンツェを訪れます。

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