カルテット!

カルテット!

『カルテット!』は、鬼塚忠による小説作品で、2010年に河出書房新社から発売されました。その後、2012年には『カルテット!〜Quartet!〜』というタイトルで映画化もされています。家族の再生をテーマにした感動的な物語です。

ストーリー

物語の中心となるのは、主人公の永江開。彼は生まれつきバイオリンの才能に恵まれた中学生ですが、彼の家族は問題を抱え、バラバラの状態でした。音大出身の父は会社をリストラされ、職を探す日々を送っており、母はかつて自身が音楽家を目指していた夢を、息子である開に過剰なまでに託そうとしていました。姉は、開に対するコンプレックスからか、自暴自棄な生活を送っています。

そんな状況を打破しようと、開は家族をまとめようと奮闘します。父にはピアノ、母にはチェロ、姉にはフルートを練習することを提案し、最初は酷かった演奏も、次第にまとまりのあるものへと変わっていきます。音楽を通して家族の絆が生まれ、開自身も音楽家として成長していく姿が描かれています。

この物語は、現代の核家族が抱える問題を典型的な形で描き出し、音楽という得体の知れないものが、崩壊しかけた家族を再生させていく様子を感動的に描いています。

映画

映画『カルテット!〜Quartet!〜』は、千葉県浦安市の市制30周年を記念して製作されました。原作者である鬼塚忠自身も脚本に参加しています。配給は松竹が担当し、2011年12月17日に浦安市のシネマイクスピアリで先行公開された後、2012年1月7日には丸の内ピカデリーほか全国の主要都市でロードショー公開されました。

撮影開始前には東日本大震災が発生し、浦安市も市域の86%が液状化被害を受けるという甚大な被害に見舞われたため、一時制作中止の危機に瀕しました。しかし、浦安市民の熱い後押しもあり、4月には浦安市内での撮影を決行。映画のエンドロールには、震災関連の映像も含まれています。

キャスト

永江開: 高杉真宙
永江美咲: 剛力彩芽
永江直樹: 細川茂樹
永江ひろみ: 鶴田真由
千尋先生: 田中美里
北原隆: 東幹久

スタッフ

監督・脚本: 三村順一
原作・脚本: 鬼塚忠
音楽: 渡辺俊幸

ミュージカル

2012年4月には、東京グローブ座と浦安市文化会館大ホールでミュージカル版も上演されました。

キャスト

永江開: 法月康平
永江直樹: 榎木孝明
永江ひろみ: 秋本奈緒美
永江美咲: キタキマユ

書誌情報

カルテット!（2010年1月21日発売、河出書房新社）
* カルテット!（2011年12月3日発売、河出文庫）

主題歌

映画の主題歌は、mihimaru GTの「One Time」です。この曲は、映画のために書き下ろされた新曲です。

『カルテット!』は、小説、映画、ミュージカルと様々な形で展開され、多くの人々に感動を与えました。音楽の力、家族の絆を描いた作品として、これからも語り継がれていくでしょう。

もう一度検索