カルデラ

カルデラ

カルデラとは、火山の活動によって形成される大きな凹地を指し、スペイン語で「釜」や「鍋」という意味を持つ言葉に由来しています。この地形は、火山が大噴火を起こした後、陥没することで形作られます。カルデラは、火山の火口が陥没してできる大きな凹地として知られていますが、これには多様な成因が存在します。火山が噴火した際の噴出物の量や地質構造など様々な要因が関与しています。

カルデラの形成

カルデラの形成は一般に「陥没カルデラ」と呼ばれ、これは大規模な噴火により、火山から噴出した火山灰や火砕流が広範囲にわたって放出される過程で、地表が陥没することによって生成されます。特に、地下のマグマだまりが大きく影響を与えており、そこに空洞ができることから地表が陥没して大きな凹地が形成されます。例えば、1815年のインドネシアのタンボラ火山の噴火は、約150立方キロメートルもの噴出物を含む記録的なものでした。

日本では、最後にカルデラを形成した噴火は約7300年前の鬼界カルデラに遡ります。それ以降、カルデラを形成するレベルの大規模な噴火は発生していないものの、将来的に同様の出来事が起こらない保証はありません。

カルデラの種類

カルデラはその形状や形成過程に応じていくつかの型に分類されます。

ピストンシリンダー型

このタイプは、内面的にあまり破砕を伴わずに、マグマだまりが陥没し、円筒状の凹地を形成するものです。代表的なものにはアメリカのバイアスカルデラや、日本の阿蘇カルデラがあります。

キラウエア型

ハワイのキラウエアに見られるこのカルデラは、主に流動性の高い玄武岩質マグマによって形成されます。マグマが上に噴出せず、側方に移動することで地表が陥没します。日本では伊豆大[[島]]がこのタイプに属します。

じょうご型カルデラ

濁川型とも呼ばれ、爆発的噴火により形成されますが、その規模はピストンシリンダー型より小さく、1つまたは数個の火口から噴火が起こります。日本では箱根カルデラが有名です。

馬蹄形カルデラ

小規模な噴火や水蒸気爆発によって形成されるこのカルデラは、O型またはU型の凹地を持っており、日本では磐梯山や鳥海山に見られます。

侵食カルデラ

かつて火山として知られていた地域が侵食によって形作られたものです。伊豆半島の湯河原カルデラがその代表例です。

カルデラと関連する地形

カルデラに関する地形も多様です。「カルデラ盆地」という言葉は、特にカルデラによる盆地を指し、その底面は「カルデラ床」と呼ばれます。また、カルデラ内に形成された湖を「カルデラ湖」といい、これは湖に囲まれたカルデラを示します。

外輪山と呼ばれる地形は、カルデラの縁を形成し、それに対して内輪山はカルデラ内部に存在する小規模な火山のことを指します。一般的にカルデラの分析は、火山の活動について理解を深めるための重要な手段とされています。カルデラに関連する一連の地形は、それぞれの地質学的な歴史や活動を物語っています。

世界のカルデラ

日本国内のみならず、世界中にも多くのカルデラが存在します。アメリカにはイエローストーンカルデラやクリエーターレイクカルデラがあり、インドネシアにはクラカタウカルデラやタンボラカルデラが存在します。それぞれのカルデラは、過去の火山活動の痕跡を残しており、地球の地質学的な歴史を語る上で欠かせない存在です。カルデラは自然の力を感じさせる地形であり、その存在はさまざまな科学的興味や観光の対象となっています。

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