玄武岩

玄武岩（Basalt）

玄武岩は、苦鉄質火山岩の一種で、地球の表面で非常に広く見られる岩石です。これは、火成岩に分類される岩石の中でも、特に重要な存在であり、その構成成分や生成過程について多くの注目を集めています。火成岩は全岩化学組成、特に二[[酸化ケイ素]]（SiO2）の割合によって分類されますが、玄武岩の場合は、SiO2の含有量が45～52%であり、斑状の組織を特徴としています。斑晶は非常に小さいため肉眼での観察は困難ですが、見た目としては主に黒色であることが多く、状況によっては灰色や赤紫色を呈するものも存在します。

成分と種類

玄武岩は、石基に有色鉱物の輝石やかんらん石、無色鉱物の斜長石などを豊富に含んでいます。特に、アルカリ玄武岩はケルスート閃石や金雲母を含むこともあり、その成分によってさまざまな種類が存在します。玄武岩が形成される際、上部マントルの部分的な融解の度合いに応じて、ソレアイト玄武岩（tholeiitic basalt）やアルカリ玄武岩（alkali basalt）へと分かれます。

生成場所

玄武岩は、地球上で最も一般的な岩石であり、主に以下のような場所で生成されます。火山活動によって溶岩が流れ出る際、流動性の高い玄武岩質溶岩は遠くまで流れ、流れた先で平らな台地を形成します。具体的には、海嶺においては新たに生成されるプレートの底を構成するため、海底には大量の玄武岩が存在します。例えば、アイスランドの火山はほとんどが玄武岩質で、これを中央海嶺玄武岩（MORB）と呼びます。また、ハワイなどのホットスポットでも玄武岩が形成され、伊豆大島や富士山のような島弧火山も含まれます。

非常に大規模な泉玄武岩の形成もあります。デカン高原のような地域では、短期間に大量の玄武岩が噴出され、洪水玄武岩と呼ばれる現象が見られます。地表には溶岩台地が形成され、その安定した地形は玄武岩の特性をよく示します。

磁気と地磁気の影響

玄武岩には磁鉄鉱が含まれており、ごく微弱な磁気を帯びています。この磁気の向きは、溶岩が冷却される過程での地磁気の影響を受けており、数万年ごとにNとSが入れ替わるため、玄武岩の研究によって噴火の時期を特定することが可能です。

名称の由来

「basalt」という英語名の起源は、ギリシャ語の試金石を意味する「βάσανος」に関連しているとも言われています。または、この岩石が豊富に見られるヨルダン東部のバシャン地域に因んで名付けられたという説もあります。日本語での「玄武岩」という名称は、兵庫県の玄武洞に由来するもので、1884年に小藤文次郎によって命名されました。この玄武洞は約165万年前の噴火によって形成されたもので、独特な六角形の柱状節理を持っています。玄武という名称は、中国神話に登場する北方の神の名から来ており、黒色を意味します。

用途と加工法

玄武岩はその耐久性と美しさから、さまざまな用途に利用されています。イタリアのカメラ関連機器メーカー、ジッツオは以前、玄武岩を素材とした三脚を製造・販売していたことがあります。このように、玄武岩は考古学的にも、産業的にも重要な役割を果たしています。

これらの特性が、玄武岩を研究の対象として魅力的なものにしています。

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