カルロス・ガルシア

カルロス・ポレスティコ・ガルシア

カルロス・ポレスティコ・ガルシア（1896年11月4日 - 1971年6月14日）はフィリピンの政治家であり、第8代フィリピン共和国大統領を務めた。彼は特に戦時賠償交渉において重要な役割を果たしたことで知られている。

経歴

ガルシアは1896年にボホール州のタリボンに生まれた。彼は1923年にフィリピンロースクールで法学士を取得し、ボホール・プロヴィンス・スクールの教師として教鞭を執った。その後、1925年から1931年にはボホール州第3区の下院議員を務め、1933年から1941年まではボホール州知事を任される。1941年には上院議員に選出されたが、日本によるフィリピン侵攻のため実際の任期開始は1945年まで遅れた。大戦中はボホール州で抵抗運動の指導者として活躍していた。

ガルシアは上院議員として3回当選し、1953年にはナショナリスタ党の公認候補として副大統領に選ばれ、ラモン・マグサイサイ大統領のもとで副大統領および外務大臣を兼任した。1954年からは、日本とフィリピンの間で戦時賠償請求の予備交渉を開始し、同年には賠償金の金額や支払い期間に関する覚書を大野勝己公使とまとめた。しかし、上院の反対に遭い、正式な賠償協定の調印は1956年にようやく実現した。

大統領としての活動

1957年3月17日、前大統領のマグサイサイが事故で亡くなったため、ガルシアは副大統領の職から大統領に就任した。その後、同年11月12日の選挙で再び大統領に選出される。彼の政策の一環として、非共産主義のアジア諸国との連携を深める姿勢を打ち出し、さまざまな国との外交関係の構築に努めた。

東南アジア連合 (ASA) の設立

1958年12月、ガルシアは共産主義に対抗するための対外政策を発表し、自由主義国との団結を目指した。次の月には、マラヤ連邦のトゥンク・アブドゥル・ラーマン首相と会談し、地域協力の必要性について意見が一致した。この会談を契機に、地域協力機構の構想が具体化し、1946年にはタイの提案を受け入れる形で、3国（マラヤ・フィリピン・タイ）による東南アジア連合の設立が決定された。

1961年7月31日から8月1日にかけてバンコクで行われた会議において、参加各国の首相や外務大臣が集まり、「東南アジア連合」設立を宣言した。これは東南アジアにおける初の地域協力機構であり、後に1967年にASEANとしてその機能を引き継いだ。

退任とその後

ガルシアは1961年の選挙でディオスダド・マカパガルに敗北し、大統領職を退いた。1961年11月には憲法制定会議の議長に就任したが、1971年にケソンで亡くなり、タギッグの英雄墓地に埋葬された。

家族

ガルシアは1933年にレオニラ・ディマタガと結婚し、彼らの間には娘のリンダ・ガルシア・カンポスが誕生した。彼の生涯はフィリピンの歴史において重要な役割を果たした時代を物語っている。

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