カルロ・アルベルト・ディ・サヴォイア

カルロ・アルベルトの生涯

カルロ・アルベルト（Carlo Alberto）は、1798年10月2日に生まれ、1849年7月28日に亡くなったイタリアのサルデーニャ王国の第7代国王です。彼はかつてカリニャーノ公として知られ、王位に就くまでの道のりは決して平坦ではありませんでした。彼はサヴォイア公ヴィットーリオ・アメデーオ1世の弟の血を引き、その家系はサヴォイア家の一派に属していますが、彼は王位継承者としてはあまり目立たない存在でした。

王位継承

カルロ・アルベルトは、父・カルロ・エマヌエーレと母・マリア・クリスティーナの間に生まれました。彼の家系は古い血統ではありますが、先代の王族との結びつきは薄く、誕生時には王位継承の候補として全く考えられていませんでした。しかしながら、サヴォイア家の正嫡が男子を残すことができず、王位は彼に継承されることとなりました。サリカ法に基づき、男子の血筋が絶えたことが彼の王位就任につながったのです。

治世の特徴

彼の治世は、政治的混乱と進歩的な改革の狭間で揺れ動くものでした。カルロ・アルベルトは、改革を推進する穏健派の意見を受け入れつつも、進歩的な思想に対しては懐疑的であり、急進的な改革を武力も含めて弾圧する姿勢を示しました。彼は自身の教育者に「道徳的な意思と力が欠如している」と評されたように、性格は気弱で優柔不断でした。そのため、彼は穏健派との協力を許容しつつも、確固たるビジョンを持つことができず、改革は一貫性を欠く結果となりました。

彼は1833年に青年イタリア党を弾圧しつつも、改革派の支持を得るために後年には意見を取り入れるようになりましたが、その結果、強硬な民族主義に傾斜することにもなりました。自身がイタリアを救う英雄となるという理想を抱く一方で、現実的な視点が欠如していたのです。

第一次イタリア独立戦争

1848年、イタリア全土で反オーストリアや反王政の暴動が起こると、これを利用してオーストリアに宣戦布告しました（第一次イタリア独立戦争）。しかし、サルデーニャ軍はこの機会を活かすことができず、軍の内部分裂に悩まされました。アルベルトは反乱軍との連携を結ぶことができず、また、軍の準備が不十分であったため、彼の指揮の下で効果的な反攻ができなくなりました。

ロンバルディア地方を占領したものの、彼の懐疑心と内なる不安感が統制を阻害し、最終的にはオーストリア軍との衝突において惨敗を喫することになりました。オーストリア軍との戦闘は激しく、出兵を進めたものの、彼自身の指導力不足がもたらした結果として彼の権威は大きく損なわれていきました。

退位と晩年

戦争を経て国民からの信頼を失ったカルロ・アルベルトは、ノヴァーラの戦いでの敗北後、ポルトガルに亡命しました。その後、1849年に亡くなった彼の名はフランスのアルベールヴィルに名を残しています。彼の家族については、1817年にトスカーナ大公フェルディナント3世の娘マリーア・テレーザと結婚し、3人の子供をもうけましたが、その中でも特にヴィットーリオ・エマヌエーレは後にイタリア王となりました。彼の治世は、イタリアの進展を求める流れと、伝統的な権威との対立を象徴するものでした。

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