カルロ・クディチーニ

カルロ・クディチーニ（Carlo Cudicini, 1973年 9月6日 - ）は、イタリア・ロンバルディア州ミラノ出身の元サッカー選手であり、現在はサッカー指導者として活躍しています。ポジションはゴールキーパー。

彼の父親は、ACミランなどで活躍した元イタリア代表のファビオ・クディチーニです。

選手時代の経歴

1991年、カルロ・クディチーニは父親のファビオが活躍したACミランでプロとしてのキャリアをスタートさせました。彼のプレースタイルは、派手なスーパーセーブを連発するタイプではありませんでしたが、的確な判断力と安定したプレーが持ち味でした。また、素早く正確なスローによるフィードも彼の特徴の一つでした。セリエAでの出場はSSラツィオ在籍時の1試合のみでしたが、イングランドへ活躍の場を移してから、その能力が高く評価されるようになりました。

1999年、同じイタリア人であるジャンルカ・ヴィアリ監督が率いるチェルシーFCへレンタル移籍。翌2000-2001シーズンには、クラウディオ・ラニエリ監督の信頼を得て、エド・デ・フーイからポジションを奪い、正GKの座を掴みました。至近距離からのシュートに対する反応の鋭さは目を見張るものがあり、チームの守護神として欠かせない存在となっていきました。ファンからの信頼も厚く、2001-2002シーズンにはファン投票によるチームの最優秀選手に選出されています。

2002-2003シーズンには、プレミアリーグ年間最優秀ゴールキーパーに贈られる「ゴールデングラブ賞」を受賞。さらに、イングランド代表のデビッド・シーマンの後継者として、クディチーニのイングランド国籍取得を望む声も上がるほど、リーグ屈指のGKとして評価されていました。

しかし、クディチーニ自身はイングランド代表入りには興味を示さず、イタリア代表の座を目指してプレーを続けました。しかし、イタリア代表にはジャンルイジ・ブッフォン、フランチェスコ・トルドといった実力者がいたため、出場機会を得ることはできませんでした。

チェルシーでの守護神としての地位は不動のものと思われていましたが、2004-2005シーズンにジョゼ・モウリーニョが監督に就任すると、チェコ代表のペトル・チェフが加入し、ポジションを奪われてしまいます。出場機会が大幅に減る中、クディチーニには多くのチームからオファーが寄せられましたが、彼はそれらを全て断り、チェルシーに残留しました。チェフが欠場した際には安定したプレーを披露し、長らく第2GKとしてチームを支え続けました。

2009年 1月26日、約10年間在籍したチェルシーを去り、同じロンドンのトッテナム・ホットスパーFCへ移籍。ここでも第2GKとして、ゴメスの欠場時に穴を埋める役割を果たしました。

しかし、2009年 11月12日、ロンドン市内でバイクを運転中に乗用車と衝突し、両腕の骨折と骨盤の損傷という重傷を負ってしまいます。この事故により、2009-2010シーズンを棒に振るだけでなく、一時は選手生命も危ぶまれましたが、手術と長きにわたるリハビリを経て、2010年 7月10日のプレシーズンマッチで復帰を果たしました。2010-2011シーズンはゴメスの不調もあり、終盤戦はレギュラーとして出場しました。2011-2012シーズンはブラッド・フリーデルが加入したことで第3GKと目されていましたが、ゴメスが前シーズンのミスから監督の信頼を失い、引き続き第2GKとして起用されました。2012-13シーズンはウーゴ・ロリスの加入により第3GKとなりました。

2012年 12月31日、アメリカのロサンゼルス・ギャラクシーへ移籍。

2014年 1月26日、ロサンゼルス・ギャラクシーを退団すると同時に現役を引退しました。

現役引退後

現役引退後はサッカー指導者に転身し、UEFAのB級コーチライセンスを取得。2015年 3月24日にはアイルランドU-21代表のゴールキーパーコーチに就任しました。また、同年からは古巣であるチェルシーのクラブアンバサダーとしても活動しています。

2016年7月、チェルシーの監督に就任したアントニオ・コンテの要請を受け、アシスタントコーチに就任しました。

所属クラブ

ACミラン (1991-1995)
→ コモ・カルチョ (1993-1994) (レンタル移籍)
ACプラート (1995-1996)
SSラツィオ (1996-1997)
カステル・ディ・サングロ・カルチョ (1997-2000)
→ チェルシーFC (1999-2000) (レンタル移籍)
チェルシー (2000-2009.1)
トッテナム・ホットスパーFC (2009.1-2012)
* ロサンゼルス・ギャラクシー (2013-2014)

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