カルーガ

カルーガの概要

カルーガ（ロシア語：Калу́га、英語：Kaluga）は、ロシア連邦の西部に位置するカルーガ州の州都で、約33万人（2021年）の人口を誇ります。モスクワから188km南西にあり、オカ川の上流の左岸に位置しています。カルーガは、歴史的に重要な鉄道や高速道路が通り、モスクワとキエフを結ぶ交通の要所でもあります。また、「宇宙飛行のゆりかご」と称されることもあり、ここには著名なロケット工学の先駆者、コンスタンチン・ツィオルコフスキーが長年住んでいました。

歴史

中世のカルーガ

カルーガの歴史は14世紀中頃まで遡ります。この頃、オカ川とウグラ川の合流点近くに要塞が建設され、モスクワ大公国の南西部の境界を守る役割を果たしました。1371年には、リトアニア大公アルギルダスの書簡にも登場します。中世には小さな町であったカルーガは、モスクワ大公国の一部として貴族に治められ、重要な交易路として「カルーガ道」が築かれました。この道は、現在の国道A101号につながっています。

1480年には、ウグラ河畔での対峙があり、モンゴルの支配からの脱却を告げる事件が起こります。以後、カルーガは軍事的な要塞としても機能し、特に外敵からモスクワを守る役割が強まりました。17世紀にはロシア・ポーランド戦争での混乱を経ながらも、カルーガは重要性を失い、焼失後は再建されることはありませんでした。

近世のカルーガ

1708年、ピョートル1世の地方改革により、カルーガはモスクワ県の一部となり、1775年にはエカチェリーナ2世が訪問し、翌年にはカルーガ県が設けられました。その後、カルーガは労働者や職人を集め、レンガやタイル工場が立ち並び始め、経済発展を遂げました。しかし、豊作の年もあれば、飢饉やペストといった災害に苦しむこともありました。

ナポレオン戦争以後

1812年、ナポレオンの侵攻に際してカルーガは重要な後方基地として機能し、フランス軍を相手に猛攻を繰り広げました。特に、クトゥーゾフ将軍の指導のもと、カルーガ道を通るフランス軍の退却を妨害し続けました。戦後もカルーガは徐々に復興を遂げましたが、都市の発展は容易ではありませんでした。

第二次世界大戦と以降

1941年、カルーガはドイツ軍に占領されますが、赤軍による反攻により同年末には奪還されました。この際、多くの家屋が壊された影響が残り、戦後はカルーガ州が新たに設立されたことに伴い、一層の復興が求められました。

21世紀のカルーガ

最近では、2022年に始まったロシアのウクライナ侵攻に際し、動員令が敷かれ、市の予算は装備の充実に振り向けられることとなりました。その影響で、毎年恒例の花火大会が中止されるなど、街の活気に影を落としています。

経済と交通

カルーガは工業都市として栄えており、特に自動車産業が発展しています。外資系の自動車企業が次々と工場を設け、この分野での中心的な地域となっています。市内にはカルーガ空港があり、鉄道によるアクセスも整備されています。

姉妹都市

カルーガは、ズール（ドイツ）、ビニング（スイス）、ラハティ（フィンランド）、ティラスポリ（トランスニストリア）など、いくつかの国際的な姉妹都市を持つなど、国際的な交流も行われています。

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