赤軍

赤軍の成立と歴史

赤軍（せきぐん、ロシア語: Красная армия）は、1918年から1946年までの間、ロシア帝国およびソビエト連邦に存在した軍隊であり、ソビエト連邦軍の前身です。特に、赤軍は十月革命の後に勃発したロシア内戦の中で重要な役割を果たしました。赤軍は、労働者・農民赤軍として設立され、初期には志願兵で構成されていました。

規模と動員

1941年6月、独ソ戦の開戦時には約570万人が赤軍に所属していましたが、スターリン政権下では大規模な動員が実施され、戦争中には最大で1500万から2000万人に達しました。しかし、犠牲者も多く、700万から1000万人が戦争によって失われました。第二次世界大戦後、赤軍の人数は約500万人へと減少し、1989年には約300万人にまで縮小しました。

創設と内戦

赤軍は1918年1月に設立され、その後のロシア内戦においてボリシェヴィキの側で戦いました。指導者はレフ・トロツキーで、彼は旧帝国軍将校の大量採用や政治将校制度の導入を行いました。内戦中、赤軍は連携した行動を重視し、鉄道を利用した兵力の移動や、敵の縦深を攻撃する戦術が成功に寄与しました。1922年に内戦が終結し、赤軍は規模を縮小しましたが、トロツキーの後任であるミハイル・フルンゼは新たな軍事ドクトリンを策定しました。

近代化と戦略の発展

1920年代の赤軍は、既存の軍隊の改革に励みました。ドイツとソ連の間のラパッロ条約により、両国の軍事交流が行われ、赤軍は機動戦や航空戦の知識を吸収しました。1930年代に入ると、赤軍は自らの教義を体系化し、戦略としての連続作戦理論を導入しました。これにより、複数の会戦をまとめて実施することが可能となりました。

大粛清とその影響

1937年から1939年にかけてのスターリンの大粛清は、赤軍に大きな影響を与えました。改革を担っていたトゥハチェフスキー元帥を初めとした多くの将校が処刑され、赤軍の近代化は一時的に停滞しました。しかし、粛清後も新たな指導者が台頭し、赤軍は第二次世界大戦への備えを進めました。

第二次世界大戦

1941年の独ソ戦は、赤軍にとって厳しい試練となりました。当初は多くの損失を被りましたが、次第に指導部は戦略を見直し、守勢に転じた際に成功を収めました。モスクワ冬季攻勢やスターリングラードの戦いでは、赤軍の戦術が評価され、緻密な計画が功を奏しました。戦後、赤軍はソ連の軍事的地位を確立し、その後の冷戦時代へと移行する道を歩むことになります。

終わりに

赤軍は、ロシア革命から大祖国戦争に至るまで、複雑な歴史を持った軍隊です。その成り立ちや運用の変遷は、ソビエト連邦の軍事的側面を理解する上で欠かせない要素となっています。赤軍の理念や戦術は、その後の世界に強い影響を与えることとなりました。

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