カルーゼル広場

カルーゼル広場（Place du Carrousel）

カルーゼル広場は、フランスのパリ1区にある歴史的な公共の広場です。この広場は、ルーヴル美術館の中庭の一部に位置しており、テュイルリー庭園と美術館の間に広がっています。元々は1871年までテュイルリー宮殿が存在していた場所であり、現在はその歴史を語り継ぐ重要な場所となっています。また、カルーゼルという名称は、軍事馬場で行われる馬術を意味し、1662年にルイ14世がここで馬術の演技を観覧したことに由来しています。

歴史的背景

カルーゼル広場は、フランス革命において、王政が崩壊する様々な出来事の舞台となりました。1789年10月5日、ヴェルサイユ行進を皮切りに、ルイ16世一家はテュイルリー宮殿に幽閉され、国民の目にさらされることとなります。彼らの脱出の試みは失敗に終わり、その後も数々の事件が広場を中心に展開されました。

特に1792年には、群衆による暴動が発生し、テュイルリー宮殿が襲撃され、多くの人々が犠牲となりました。宮殿前の広場は「カルーゼル競技場」と呼ばれ、衝撃的な事件を目撃した場所として記憶されています。8月21日には、カルーゼル広場にギロチン台が設けられ、様々な処刑が行われました。この時期の広場は、恐怖と悲劇の象徴となり、最終的に35人が処刑されたことが記録されています。

その後、広場にはジャン＝ポール・マラーの木製ピラミッドが建立され、彼の功績を称える痕跡が残されたことも特筆されます。1838年にはついにテュイルリー宮殿が焼失し、その廃墟は長らく 放置されますが、1883年には撤去が決定され、その後公共スペースとしてのカルーゼル広場が復活することとなります。

カルーゼル凱旋門

カルーゼル広場の最も目立つ建物は、カルーゼル凱旋門です。この凱旋門は1806年から1808年にかけてテュイルリー宮殿の門として建設され、ナポレオンの戦勝を記念するために設計されました。エトワール凱旋門と同じ年に建設が始まりましたが、規模はほぼ二倍で、より有名なものとなっています。

カルーゼル広場は、単なる公共スペースにとどまらず、数世代にわたって歴史的出来事の舞台としての役割を果たしてきました。現在、観光客や地元の人々が集まる場所となり、パリの歴史を感じるには最適なスポットと言えるでしょう。美術館や庭園と共に訪れることで、カルーゼル広場の魅力を存分に味わうことができます。

もう一度検索