カロリーネ・ルイーゼ・フォン・ヘッセン＝ダルムシュタット

カロリーネ・ルイーゼ・フォン・ヘッセン＝ダルムシュタット

カロリーネ・ルイーゼ・フォン・ヘッセン＝ダルムシュタット（1723年7月11日 - 1783年4月8日）は、バーデン＝ドゥルラハ辺境伯カール・フリードリヒの妃であり、自身の宮廷での文化活動や学問への貢献を通じて、当時のヨーロッパに重要な影響を与えました。彼女は美術の収集家であり、植物学をはじめとする自然科学においても活発に活動していました。

生い立ちと家庭

カロリーネ・ルイーゼは、ヘッセン＝ダルムシュタットの方伯ルートヴィヒ8世と、ハーナウ伯ヨハン・ラインハルト3世の娘であるシャルロッテとの間に生まれました。彼女の母が若くして亡くなると、カロリーネ・ルイーゼとその姉妹は父によって慎重に育てられました。若いころにカンバーランド公ウィリアム・オーガスタスと結婚を試みましたが、これは実を結びませんでした。また、さらなる結婚の申し込みもあったものの、彼女は自立した考えを持ち、シュヴァルツブルク＝ルードルシュタット侯嗣子の求婚も拒絶しました。

1751年1月28日、ダルムシュタットでカール・フリードリヒと結婚し、彼は後にバーデンの全領土を統治することになります。

文化と知識の中心

カロリーネ・ルイーゼは、カールスルーエの居城において彼女自身の文化的な生活を築き上げ、多様な知識を持つことから、彼女の宮廷は人文科学や文化活動において重要な拠点となりました。彼女は5か国語を操り、当時の著名な思想家や作家と積極的に文通していました。特にヴォルテールに感銘を受け、その考え方を広く学びました。

居城は、知識と芸術の中心地となり、ヴォルテールをはじめ、ゲーテやヘルダーなどが訪れ、カロリーネ・ルイーゼの文化的な影響力が証明されました。彼女自身もハープシコード奏者として宮廷楽団に参加し、音楽活動を通じて文化の発展を支援しました。

学問への探究心

自然科学への情熱を持っていたカロリーネ・ルイーゼは、植物学、動物学、化学などの分野で研究を行っていました。彼女の活動は、当時の植物「Carolinea prinzeps L.」に名付けられるなど、科学界でも評価されました。カール・フォン・リンネも彼女の功績を称え、植物誌の編纂を企画しましたが、実現には至りませんでした。彼女の居住空間には、科学実験が行える実験室が設けられ、実際に実験を行なっていました。

また、鉱物コレクションも行っており、専門家を雇ってその収集に努めていました。

家族と晩年

カロリーネ・ルイーゼは3人の息子を育て、教育にも力を注ぎました。彼女の子女にはバーデン大公となるルートヴィヒ、そしてその父カールもいます。残念ながら、1779年に事故で健康を害し、息子と共に旅していた際に心臓発作で亡くなりました。

彼女が残した美術作品や自然科学のコレクションは現在、カールスルーエ州立美術館やカールスルーエ州立自然博物館の基礎となっています。彼女の生涯は、当時のバーデンの文化的な発展に多大な影響を与えたことが評価されております。

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