カワサキ・1400GTR

カワサキ 1400GTR：快適性とスポーツ性能を両立したツアラー

カワサキ 1400GTRは、2008年にカワサキ重工業モーターサイクル&エンジンカンパニーが海外市場向けに発表した、ツアラータイプのオートバイです。日本市場では1000GTRの後継車種として、長距離ツーリングにおける快適性と、高い走行性能を両立させたモデルとして開発されました。一部地域ではConcours 14やZG1400の名前で販売されています。

ZZR1400をベースとした高性能エンジン

1400GTRは、カワサキのハイパフォーマンスモデルであるZZR1400をベースに開発されました。エンジンはZZR1400のものをベースとしながらも、吸気側に可変バルブタイミング機構を追加することで、中低速域でのトルクを向上させ、扱いやすさを追求。ラムエアシステムの効果も加わり、最大出力は160馬力に達します。このパワフルなエンジンは、長距離走行における余裕と、スポーティな走りを両立させています。

ツーリングに最適化された車体

車体もZZR1400と共通点が多いものの、ツアラーとしての快適性を重視した設計となっています。ZZR1400と同様のモノコックフレームを採用しながらも、キャスター角を大きくし、ホイールベースを長くすることで、直進安定性を高めています。また、シャフトドライブによるスムーズな動力伝達と、カワサキ独自のテトラレバーリヤサスペンションにより、シャフトドライブ特有のリアリフトを抑制し、安定した走行を実現しています。

充実の装備

1400GTRは、快適な長距離ツーリングをサポートする数々の装備が充実しています。アップハンドルによるリラックスしたライディングポジション、クッション性の高いシート、大型の電動スクリーンによる優れた防風性能、そして標準装備のABS（アンチロックブレーキシステム）は、ライダーの疲労軽減と安全性を確保します。さらに、便利な機能として、リヤキャリアやパニアケース、キーレスの電気式キー認証システムKIPASS（FOBキー）、そしてタイヤ空気圧監視システムが搭載されています。これらの装備により、ライダーは長距離ツーリングを快適に楽しむことができます。

継続的な改良

2010年と2015年にはマイナーチェンジが行われ、安全性能と快適性の向上が図られました。2010年のマイナーチェンジでは、カワサキ市販車としては初となるトラクションコントロールシステムKTRCが搭載され、2015年にはギヤ比とECUセッティングの見直し、フロントスクリーンへの空気取入口の追加などが行われています。これらの改良により、1400GTRはより安全で快適なモデルへと進化していきました。

生産終了とその後

2016年に生産が終了したものの、北米市場などでは2022年現在も販売が継続されている地域もあります。長年愛された1400GTRは、その優れた性能と快適性から、多くのライダーに支持されてきました。

モデルバリエーションとカラーリング

1400GTRは、発売以来、いくつかのマイナーチェンジを経て、カラーリングのバリエーションも変化してきました。各年式で異なるカラーリングが用意され、ライダーの好みに合わせた選択が可能でした。初期のモデルはニュートロンシルバーやメタリックディアブロブラックなど、落ち着いた色調のカラーが中心でしたが、年式が進むにつれて、メタリックブルーやキャンディレッドといった鮮やかなカラーも登場しました。

ライバル車種

1400GTRは、ホンダVFR1200F、ヤマハFJR1300、BMW K1200GTなど、多くのライバル車種が存在する中、独自の個性と性能で存在感を示し続けてきました。これらの車種と比較検討することで、1400GTRの魅力をより深く理解することができるでしょう。

まとめ

カワサキ 1400GTRは、長距離ツーリングにおける快適性と、スポーティな走りを両立させた、魅力的なツアラーモデルです。充実した装備と、高い走行性能は、多くのライダーを魅了し続けてきました。生産終了後も、その高い人気は衰えず、中古市場でも高い人気を誇っています。

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