カワサキ・KX

カワサキKXシリーズ：オフロード競技のレジェンド

川崎重工業（カワサキ）が製造・販売するKXシリーズは、長年にわたりモトクロス競技において高い人気を誇る2ストロークエンジンのオートバイです。排気量別に様々なモデルがラインナップされ、世界中のライダーから愛されてきました。この記事では、KXシリーズの歴史と各モデルの特徴について詳しく解説します。

主要モデルと特徴

KXシリーズは、大きく分けて以下のクラスに分類されます。

MX3クラス（旧500ccクラス）

KX500: 1982年から2004年まで生産された、シリーズ最大の排気量を誇るモデル。初期は毎年モデルチェンジが行われ、モトクロス世界選手権やAMAモトクロス500ccクラスで活躍しました。しかし、250ccモデルの性能向上により最高峰クラスとしての地位を失い、生産台数も減少していきました。一方で、長距離レースであるバハ1000ではそのパワフルなエンジンと車体が功を奏し、高い評価を得ていました。日本では500ccの公式戦がないため、正規販売はされませんでした。
KX420: 1979年から1980年までの2年間のみ生産されたモデル。KX500と同様に、500ccクラスをターゲットとしていましたが、販売台数は限定的でした。日本での正規販売はありませんでした。
KX400: 1974年から1975年までの2年間生産されたモデル。KX420、KX500と同様に、500ccクラスをターゲットとしたものの、販売台数は限定的でした。日本での正規販売はありませんでした。

MX1クラス（旧250ccクラス）

KX250: 1973年から2008年まで生産された、KXシリーズを代表するロングセラーモデル。毎年モデルチェンジが繰り返され、常に進化を続けました。しかし、環境規制の強化に伴い、2005年から販売開始された4ストロークエンジンのKX450Fに後継の座を譲り、2006年以降はグラフィック変更のみとなりました。

MX2クラス（旧125ccクラス）

KX125: 1973年から生産されているモデル。KX250と同様に、長年にわたってモデルチェンジが繰り返されてきました。環境規制の強化に伴い、2003年から販売開始された4ストロークエンジンのKX250Fに後継の座を譲り、2006年以降はグラフィック変更のみとなりました。一部地域では販売終了しています。

85ccクラス（旧80ccクラス）

KX85 / KX85 II: 2000年から生産されている、子供向けのモデル。FIM車両規則の変更に対応し、KX80から排気量が84.6ccに拡大されました。KX85 IIは、ホイールの大型化などの改良が施されています。
KX80 / KX80 II: 1979年から2000年まで生産された、子供向けのモデル。KX85と同様に、小柄なライダーや、フルサイズモデルへのステップアップを目的としたライダーに適したモデルです。
KX65: 2000年から生産されている、子供向けのモデル。KX60の後継モデルとして、エンジンや車体の設計を一新しました。現在、日本国内で販売されている唯一の14インチフロントホイール、12インチリアホイールのモトクロッサーです。
KX60: 1982年から2000年まで生産された、子供向けのモデル。他社に競合機種が少なかったため、長年にわたり販売されました。
KX100: 1985年に発表されたモデル。KX80 IIやKX85 IIをベースに、排気量を拡大したモデルです。公式戦がない100ccクラスながら、初心者にも扱いやすいモデルとして人気がありました。2015年に日本仕様が発売されました。

まとめ

カワサキKXシリーズは、長年にわたる技術革新とライダーからのフィードバックを反映し、進化を続けてきました。2ストロークエンジンモデルは、その独特のサウンドとパワフルな走りが魅力で、多くのライダーを魅了し続けています。環境規制などの影響で、近年は4ストロークモデルのKX-Fシリーズが中心となっていますが、KXシリーズの歴史と存在感は、モトクロス界において揺るぎないものと言えるでしょう。

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