カワサキ・VN400バルカン

カワサキVN400バルカンシリーズ：400ccアメリカンバイクの系譜

カワサキ重工業が1995年から2004年にかけて製造・販売していたVN400バルカンシリーズは、同社のアメリカンタイプオートバイにおける重要な位置を占めるモデル群です。本稿では、VN400バルカン、バルカンII、バルカンクラシック、バルカンドリフターといった派生モデルを含め、その歴史と特徴を詳細に解説します。

シリーズの概要：EN400からの進化

VN400バルカンシリーズの登場は、それまでの並列2気筒エンジン搭載のEN400からのフルモデルチェンジという形で実現しました。1995年、V型2気筒エンジンを搭載し、同年発売のバルカン800と共通の車体を採用したVN400は、低速トルク重視のロングストローク型エンジン（バルカン800と比較してボア径が小さい）を特徴としました。55度のバンク角を持つVツインエンジンは、独特の鼓動感と力強い走りを提供しました。

シリーズは、様々なバリエーションモデルを展開。それぞれのモデルは、ハンドル形状、ホイールサイズ、フェンダーデザインなど、細部において異なる個性を持っていました。これらの多様なモデル展開は、幅広いライダーのニーズに応えることを目指したカワサキの戦略を反映しています。

しかし、2004年にシリーズの販売は終了。以降、カワサキは400ccクラスのアメリカンモデルをラインナップから外すことになります。そのため、VN400バルカンシリーズは、カワサキのアメリカンモデルの歴史において、重要な役割を果たしただけでなく、多くのライダーに愛されたモデルとして記憶されています。

各モデルの詳細

1. VULCAN (VN400A): 1995年2月発売。前輪21インチ、後輪16インチのスポークホイールとプルバックハンドルが特徴。1998年までの販売期間中、いくつかの仕様変更が行われました。

仕様沿革:
1995年：VN400-A1
1996年：VN400-A2
1997年：VN400-A3
1998年：VN400-A4

2. VULCAN II (VN400B): 同時に発売されたVN400Aとほぼ同時期に販売。VN400Aとの大きな違いはフラットハンドルを採用している点です。スポークホイールはVN400Aと同様、前輪21インチ、後輪16インチでした。

仕様沿革:
1995年：VN400-B1
1996年：VN400-B2
1998年：VN400-B4

3. VULCAN Classic (VN400C): 1995年12月発売。前輪と後輪ともに16インチのスポークホイールを採用。よりクラシックなスタイルを追求したモデルです。2003年まで販売されました。

仕様沿革:
1996年：VN400-C1
1997年：VN400-C2
1999年：VN400-C4
2000年：VN400-C5
2001年：VN400-C6
2002年：VN400-C7
2003年：VN400-C8

4. VULCAN Drifter (VN400D): 1999年3月発売。16インチのスポークホイールと、ホイールを覆うディープフェンダーが特徴的なモデルです。特にリアフェンダーはスイングアームに固定されており、独特なスタイルを演出しています。2004年まで販売されました。

仕様沿革:
1999年：VN400-D1
2000年：VN400-D2
2001年：VN400-D3
2002年：VN400-D4

まとめ

VN400バルカンシリーズは、カワサキの400ccアメリカンモデルの歴史において、重要な役割を果たしたモデル群です。各モデルの個性的なデザインと、V型2気筒エンジンの力強い走りは、多くのライダーを魅了しました。現在では生産終了していますが、その存在感は、中古市場などで今もなお確認することができ、多くのファンに愛され続けていると言えるでしょう。 今後も、これらのモデルは、日本のバイク史において重要な位置を占め続けることでしょう。

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