カワサキ・Z250

カワサキZ250/Z250SL：スタイリッシュなストリートファイターとその兄弟車

カワサキ重工業が製造・販売するZ250は、248cc排気量のオートバイです。2013年、Z1000やZ800といった兄弟車種の下位モデルとして登場し、世界で唯一の250ccクラスのストリートファイターとして注目を集めました。特徴的なのは、そのスタイリッシュなデザインと、取り回しの良い車体です。

Z250：250ccストリートファイターのパイオニア

Z250は、2012年に発売されたニンジャ250をベースに開発されました。しかし、単なるニンジャ250の派生モデルではありません。ヘッドライトはZ800を彷彿とさせる鋭いデザイン、Zのロゴをかたどったサイドカウル、そしてアンダーカウルを装備することで、ストリートファイターらしい精悍なルックスを実現しています。また、ニンジャ250のセパレートハンドルから、よりリラックスしたライディングポジションが可能なワイドなバーハンドルに変更されました。ハンドリングについても、キャスター角を調整することで、ニンジャ250よりもクイックな反応を実現しています。

生産コストを抑えるため、初期モデルはタイにあるカワサキモータースエンタープライズタイランドで生産されました。これにより、車両価格は50万円を下回る46万5千円（税抜）と、非常に魅力的な価格設定となりました。その後、生産拠点を日本の明石工場に移管したものの、価格は据え置きとなりました。

2015年には、ABS（アンチロックブレーキシステム）とアシスト＆スリッパークラッチを搭載したZ250 ABSが発売されました。これにより安全性が向上すると同時に、より快適なライディング体験が提供されるようになりました。タイヤもSレンジから上位グレードへ変更され、車体重量は2kg増加しています。

カラーバリエーションも豊富で、発売当初から様々なカラーリングが用意されました。年式によってカラーリングは変化しており、2トーンカラーのモデルも登場しました。

Z250SL：兄弟車としての魅力

2014年には、Z250の兄弟車としてZ250SLが発表されました。これは、先に発売されたNinja250SLのネイキッドバージョンにあたります。Ninja250SLと同様にタイで生産され、日本市場には2016年から正規輸入車として販売されました。しかし、2017年には平成28年排出ガス規制の適用に伴い、販売終了となりました。日本仕様にはABSは搭載されていませんでしたが、海外仕様にはABSが標準装備されていました。

まとめ：Z250シリーズの魅力

Z250とZ250SLは、カワサキが提案する250ccクラスの個性的なオートバイです。スタイリッシュなデザイン、扱いやすい車体、そして魅力的な価格設定は、多くのライダーを魅了しました。それぞれのモデルは、異なる個性と特徴を持ちながら、カワサキの技術力とデザインセンスの高さを示しています。Z250は、250ccクラスのストリートファイターとして、その地位を確立し、Z250SLは、スポーティな走りとスタイリッシュなデザインを両立したモデルとして、多くのライダーに支持されました。これらのモデルは、カワサキの歴史において重要な位置を占めており、日本のモーターサイクル史においても重要な存在となっています。

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