カワチ薬品

株式会社カワチ薬品：メガドラッグストアの先駆者

株式会社カワチ薬品は、東証プライム市場に上場する大手ドラッグストアチェーンです。栃木県小山市に本社を置き、東日本を中心に事業を展開しています。同社を特徴づけるのは、業界平均を大幅に上回る広大な売場面積を誇る「メガ・ドラッグストア」です。600～1000坪という広大な空間には、医薬品や日用品はもちろん、インテリア雑貨、ヘルスケア用品、育児用品、軽家電、そして一般食品まで、生活に必要なものがほぼ網羅されています。特に一般食品の売上比率は45%（2005年度）と、業界平均の15%を大きく上回り、同社の独自性を示しています。1店舗あたりの平均年商は、業界平均の約4倍に達するなど、その高い収益力も注目されています。

積極的なM&A戦略と事業拡大

激変するドラッグストア業界において、カワチ薬品は積極的なM&A戦略を通じて成長を遂げてきました。2001年には株式会社サンドラッグとの業務提携を締結し、それぞれの強みを活かした相乗効果を生み出しました。サンドラッグは東京都や神奈川県といったカワチ薬品の店舗が少ない地域に多くの店舗を展開しているため、この提携は両社にとって大きなメリットとなりました。その後も、2006年には茨城県を拠点とする株式会社倉持薬局を買収（2014年吸収合併）、2014年には青森県を拠点とする株式会社横浜ファーマシーを完全子会社化することで、北関東および東北地方への事業展開を強化しました。これらの戦略的な買収により、カワチ薬品は事業基盤を堅固なものとし、更なる成長を加速させています。

60年の歴史と進化

カワチ薬品の歴史は1960年7月、河内薬品として栃木駅前に出店したことに始まります。その後、有限会社河内薬品を経て、1980年7月に株式会社カワチ薬品へと改組。1996年には日本初の調剤薬局併設型メガ・ドラッグストアを茨城県日立市に開店し、業界に大きなインパクトを与えました。2000年には株式を店頭公開市場（現ジャスダック）に上場、2002年には東京証券取引所第一部に上場を果たすなど、常に業界をリードする存在として成長を続けてきました。

企業としての社会的責任

カワチ薬品は、積極的な事業展開と同時に、企業としての社会的責任についても取り組んでいます。しかしながら、2010年には景品表示法違反で行政指導を受けました。栃木県内の46店舗において、実際の販売価格よりも高い価格を通常価格と偽り、消費者を誤認させる表示を行ったとして、県から是正指示を受けています。この一件は、企業が成長を続ける上で、コンプライアンスの徹底がいかに重要であるかを示す、重要な教訓となりました。

今後の展望

カワチ薬品は、今後もメガドラッグストアモデルを核とした事業展開を継続し、地域社会に貢献していく姿勢を示しています。その一方で、変化の激しい市場環境に対応するため、更なる効率化や新たなサービスの開発、そしてコンプライアンスの強化など、様々な課題に積極的に取り組むことが求められています。今後のカワチ薬品の動向は、日本のドラッグストア業界全体の将来を占う上で重要な指標となるでしょう。

歴代社長

河内良三郎：1980年 - 2002年
河内伸二：2002年 - 現在

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