カンジュ

カンジュの概要

カンジュ (Cange) は、ハイチの中央県に位置する小さな村です。この地域は、主に人道支援の活動が行われており、特に医療や教育の面で多くの取り組みがなされています。カンジュには、パートナーズ・イン・ヘルスが運営する病院ザンミ・ラサンテがあり、アメリカ合衆国の援助を受けて建設された重要な医療機関です。村は国道3号線沿いにあり、自動車でアクセスが可能で、水力発電用のダムによるペリグル湖の近くに位置しています。

地域の特性

カンジュ周辺には、約3万人が居住し、半径7kmの範囲にはいくつかのコミュニティがあります。また、カンジュ自体は地理的に険しい場所にありながらも、多くの支援活動が展開されています。著名な人物として、アメリカ人の人類学者であるポール・ファーマーや、宣教師フリッツ・ラフォンタンがこの地に関わってきました。

NGOおよび医療支援

1979年、ラフォンタン師は米国の聖公会と連携し、カンジュにボン・ソヴール教会を開設しました。この教会を中心に、1981年からEDUSCによる医療支援が始まりました。1980年代には、土木事業を通じて上水道が整備され、クレムゾン大学と協力し水道施設の更新も行われました。これにより、地域には総合診療所や専門の診療所、歯科診療所などが設立され、地域住民に必要な医療サービスが提供されています。

さらに、地域の女性に就業の機会を提供するための縫製作業所も設立され、教育支援では「Adopt-a-Village」と名付けられたプロジェクトによって、15以上の学校が開設されました。これらの取り組みは、カンジュの発展に向けた重要な一歩となっています。

公営水道事業

2009年、CEDCはザンミ・ラサンテ病院やEDUSCと共に、カンジュの公営水道事業に取り組み、120万ドルの資金を提供しました。更新された水道施設には、9カ所の噴水施設、200,000ガロンの貯水能力を持つ大規模水槽、日々144,000ガロンを配水するタービンが設置され、急峻な斜面を通じて水が供給されています。このシステムは2012年6月から稼働しており、地域の住民にとって必要不可欠なインフラとなっています。

アート・センター

ハイチ・クレオールで「アート・センター」を示す「Sant Art」は、1980年代に設立されました。この施設は地元の芸術家たちに訓練と就業の機会を提供し、彼らの作品を販売する場所でもあります。販売される品目は多岐にわたり、針仕事や伝統的な人形などが含まれています。カンジュで制作されたアートはオンラインでも注文が可能で、地域の文化を広める貴重な役割を果たしています。

歴史的背景

カンジュの歴史においても、いくつかの重要な出来事があります。1958年には、ペリグル・ダムが建設され村が水没しましたが、その後も地域の支援活動は続いています。1962年にはラフォンタン師と妻が小学校を設立し、1985年にはボン・ソヴール教会が正式に設立されました。その後も、カンジュは様々な課題を乗り越えながら、地域の発展に向けた取り組みを続けています。さらに1986年には、カンジュでハイチ中央高原初のAIDS患者が確認され、地域の疾病対策の重要性が浮き彫りとなりました。

終わりに

カンジュは、医療、教育、文化の分野で継続的に支援を受けている地域です。この小さな村は、コミュニティの協力によって発展を続けており、世界中の人々が助け合う大切さを教えてくれます。

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