カンダハール国際空港

カンダハール国際空港は、アフガニスタン南西部のカンダハール州、州都カンダハール市に位置する国際空港です。

概要

この空港は、20世紀末のアフガニスタン内戦において重要な役割を果たしました。1994年8月、カンダハールはターリバーンが最初に占領した都市となり、カンダハール国際空港は事実上、タリバーン側の国際空港として機能しました。

その後、2001年12月には、アメリカ合衆国がアフガニスタンに侵攻し、カンダハールは激戦地となりました。同年12月14日、アメリカ海兵隊が空港を制圧し、以降、アメリカ軍とカナダ軍が駐留するテロ対策のためのカンダハール空軍基地（Kandahar Airfield）として利用されました。

この間、空港は国際的な軍事拠点として重要な役割を果たしましたが、2021年にはアメリカ軍が撤退しました。これにより、再び情勢は大きく変化します。

2021年、ターリバーン攻勢により、同年8月13日までにターリバーンが空港を含むカンダハール市内を制圧しました。8月15日にアフガニスタン政府が崩壊すると、8月17日にはターリバーンの創設者であり副指導者であるアブドゥル・ガニ・バラダルがカンダハール国際空港を使用して帰国しました。この出来事は、アフガニスタンの歴史における大きな転換点となりました。

このように、カンダハール国際空港は、アフガニスタンの政治的変動を象徴する場所であり、数々の歴史的な出来事の舞台となってきました。その役割は、軍事的な拠点から民間航空の場へと移り変わり、現在も変化を続けています。

就航航空会社と就航都市（2021年の政権崩壊以前）

政権崩壊以前には、複数の航空会社がカンダハール国際空港に就航していました。具体的な詳細については、以下に区分して説明します。

旅客便

主に国内線と一部国際線が運航されており、アフガニスタンの主要都市や周辺国との間を結んでいました。具体的な就航都市と航空会社については、当時の情勢や航空会社の運航状況により変動がありましたが、以下のような路線が確認されています。

カブール：アフガニスタンの首都であり、国内の主要なハブ空港であるカブール国際空港との間を結ぶ路線が頻繁に運航されていました。
ヘラート：アフガニスタン西部の主要都市であるヘラートとの間を結ぶ路線も存在しました。
その他の国内都市：マザリシャリフ、ジャララバードなど、国内の主要都市への便がありました。
国際線：パキスタンやUAEなど、近隣諸国への国際線も運航されていた時期がありました。

貨物便

貨物便については、商業貨物の輸送だけでなく、人道支援物資や軍事物資の輸送にも利用されていました。これらの貨物便は、アフガニスタンの経済活動と国際的な支援活動を支える重要な役割を担っていました。

まとめ

カンダハール国際空港は、アフガニスタンの歴史において、その政治的および軍事的な状況を反映する場所として、常に重要な位置を占めてきました。内戦、アメリカ軍の駐留、そしてタリバーンによる再支配という激動の時代を経験し、その役割も大きく変化してきました。現在も、アフガニスタンの情勢とともに、空港の運営状況は変化し続けています。

もう一度検索