カントリー・ストロング

映画『カントリー・ストロング』解説

『カントリー・ストロング』（原題：Country Strong）は、2010年に公開されたアメリカ映画。カントリー音楽界を舞台にしたドラマ作品であり、著名なキャストと心に響く音楽が特徴です。

あらすじ

アルコール依存症のリハビリ施設で治療を受けているカントリー・スター、ケリー・カンター（グウィネス・パルトロー）。彼女は、リハビリ施設で働く青年ボー・ハットン（ギャレット・ヘドランド）と親密な関係になります。ケリーの夫でありプロデューサーのジェイムス（ティム・マグロウ）は、彼女のイメージ回復のため、3ヶ所のツアーを企画。ケリーはボーを前座にすることを望みますが、ジェイムスは既にミスコン出身の新人歌手チャイルズ・スタントン（レイトン・ミースター）を前座にすることを考えていました。

様々な出来事を経て、ボーとチャイルズも前座として参加することになったツアー。しかし、過去のトラウマから立ち直れないケリーは、次第に精神的に追い詰められていきます。そんな中、ボーはチャイルズとの距離を縮めていき、互いに惹かれあうようになります。

ツアーが進むにつれて、ケリーの状態は悪化の一途を辿ります。そして、ダラスでの公演後、ケリーは薬物の過剰摂取により命を落としてしまうのです。ケリーの遺書には、ボーへのメッセージが綴られていました。それは、「愛と名声は同時に得られない」という彼女自身の経験に基づいたアドバイスでした。

ケリーの死後、ボーは彼女の言葉を受け入れ、新たな人生を歩むことを決意。カリフォルニアで歌っている彼の元に、チャイルズが現れ、二人は共に書き上げた歌を歌います。

キャスト

ケリー・カンター：グウィネス・パルトロー
ジェームズ・カンター：ティム・マグロウ
ボー・ハットン：ギャレット・ヘドランド
チャイルズ・スタントン：レイトン・ミースター

製作の背景

監督・脚本を務めたシェナ・フェステは、実在のカントリー・スターをモデルに脚本を執筆したことを明かしています。また、ギャレット・ヘドランドとグウィネス・パルトローは、役作りのためにギターのレッスンを受けました。特にパルトローは、アルコール依存症の理解を深めるため、ロバート・ダウニー・Jr.の過去の経験を参考にしたと言います。

評価

映画の評価は賛否両論であり、Rotten Tomatoesでは22%の支持率、Metacriticでは45/100点となっています。しかし、グウィネス・パルトローの演技と歌唱力は高く評価されました。

音楽

映画を彩る音楽も大きな魅力の一つです。グウィネス・パルトローが歌う主題歌『Country Strong』は、カントリーラジオでリリースされ、サウンドトラックもビルボードのカントリーアルバムチャートで2位を獲得しました。また、『Coming Home』は、ゴールデングローブ賞とアカデミー賞の歌曲賞にノミネートされました。

まとめ

『カントリー・ストロング』は、カントリー音楽界の光と影を描きながら、登場人物たちの愛と葛藤、そして再生を描いた作品です。豪華キャストの演技、心に響く音楽、そして感動的なストーリーが、観る者の心に深く残るでしょう。

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