カンヌの休日

フジファブリックの19枚目のシングル「カンヌの休日 feat. 山田孝之」は、2017年2月15日にリリースされました。この楽曲は、テレビ東京系ドラマ『山田孝之のカンヌ映画祭』のオープニングテーマとして書き下ろされ、ドラマの主演を務める山田孝之がボーカルとして参加したことで話題を集めました。

制作の背景

楽曲制作のきっかけは、ドラマの監督である山下敦弘と松江哲明からの依頼でした。山内総一郎は、監督たちにフジファブリックの楽曲のイメージを尋ねたところ、「激しくて速い曲」という要望を受けました。その要望に応えるため、山内はロックンロールでありながらも、どこか引っかかるような、独特な雰囲気を持つ楽曲を目指しました。制作は、山内、金澤ダイスケ、そして監督たちの3人で、ドラマの第1話を鑑賞しながら行われ、山内がギターでリフを弾き、金澤がそれを評価するという形で進められました。

歌詞は加藤慎一が担当しました。歌詞は、カンヌ国際映画祭で受賞した映画のタイトルを巧みに繋ぎ合わせて構成されています。加藤は、支離滅裂にならないギリギリのラインを意識しながら、映画のタイトルを連ねて歌詞を制作したと語っています。

アレンジにおいては、当初オルガンやピアノの使用も検討されましたが、最終的にはファルフィッサオルガンやモーグ・シンセサイザーが採用され、ギターリフとのユニゾンが特徴的なサウンドに仕上がりました。楽曲中には、ディック・デイルの「ミザルー」へのオマージュとも言えるフレーズも含まれています。

ミュージックビデオ

ミュージックビデオは、ドラマの監督である山下敦弘が手掛けました。「映画祭」をコンセプトに、タキシードに身を包んだ山田孝之とフジファブリックが、無数のカメラのフラッシュを浴びながら歌唱するシーンが印象的です。さらに、謎の老人（演：首くくり栲象）が登場し、独特の世界観を演出しています。

リリースとチャート成績

シングルには、表題曲の「カンヌの休日 feat. 山田孝之」に加え、ミディアムバラードの「Here」、フジファブリックバージョンの「カンヌの休日」、そしてカラオケ音源の全4曲が収録されています。初回生産限定盤には、「カンヌの休日」のミュージックビデオを収録したDVDが付属しました。

「カンヌの休日 feat. 山田孝之」は、オリコン週間シングルランキングで最高29位、Billboard Japan Hot 100で最高45位を記録しました。また、この楽曲は、2018年10月3日に発売されたミニアルバム『FAB FIVE』にも収録されています。

「カンヌの休日 feat. 山田孝之」は、フジファブリックと山田孝之という異色の組み合わせによって生まれた、ユーモアとロックンロールが融合したユニークな楽曲です。ドラマの世界観を見事に表現したこの楽曲は、多くの音楽ファンを魅了しました。

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