カンフー・ジャングル

カンフー・ジャングル

『カンフー・ジャングル』（原題：一個人的武林）は2014年に公開された香港と中国の合作映画で、テディ・チャンが監督を務めました。主演にはドニー・イェンが登場し、共演にはワン・バオチャンやチャーリー・ヤンなどが名を連ねています。本作は第34回香港電影金像奨にて最優秀アクション設計賞を受賞するなど、高評価を得ています。

映画の概要

原題の「武林」という言葉は武侠小説において武術の世界を指し、この映画ではその伝統を受け継いでいます。香港で付けられた英題は『Kung Fu Jungle』ですが、英語圏では『Kung Fu Killer』のタイトルで知られています。香港が中国に返還され、経済の変化が進む中で、長らくアクション作品に従事してきた監督のテディ・チャンは、功夫映画の衰退とその文化に対するオマージュをこの作品に込めています。

映画は多くの著名な映画人がカメオ出演しており、功夫映画の名作や監督、名優たちが映像やポスターを通じて登場します。アクション指導はドニー・イェン自身が手がけており、彼の動きに関しては香港のベテランたちがそれぞれのセクションを担当しました。特に、スタントコーディネーターとして長年同行してきたイム・ワーの貢献も見逃せません。本作に関わった4人は、香港電影金像奨で最優秀アクション設計賞を受賞しました。

ワン・バオチャンは助演男優賞にノミネートされ、2015年の上海国際映画祭では最優秀新人賞を受賞しています。さらに本作は、2014年第58回ロンドン映画祭で特別上映されたほか、ダラス国際映画祭やカナダファンタジア国際映画祭などでも映像が観客に届けられました。

ストーリー

物語は、武術の一門に属するハーハウ・モウ（ドニー・イェン）が主役です。彼は警察学校の教官でもありましたが、他流試合中に対戦相手を殺してしまい、服役することになりました。そんな中、南拳の達人が殺される事件が発生し、彼はその事件の進展に興味を抱きます。ハーハウは、犯人が功夫の達人であり、今後新たな犠牲者が出ることを警告します。

事件解決のため、ハーハウは釈放され、捜査に協力します。彼が得た唯一の手がかりは凶行現場に残された古い武器のレプリカ。犯人は特定の功夫技を用いながら過去のチャンピオンを次々に仕留めていました。彼は捜査班から姿を消し、故郷の佛山へと向かいます。

そこでは、師匠の娘シン・イン（ミシェル・バイ）が一門を守るために奮闘していました。失意の中、ハーハウは師匠の遺影の前で思い悩みます。そして、事件現場に残された武器のレプリカを届けに来たフォン・ユィシウ（ワン・バオチャン）が次のターゲットを示唆するのです。ロク警部にその情報を伝え、再び事件の核心に迫っていきます。

まとめ

『カンフー・ジャングル』は、アクションのすべてを詰め込んだ作品であり、功夫映画への愛や尊敬が込められています。魅力的なキャストや緻密なアクションが観る者を引き込み、豊かな文化的背景をもったストーリーが展開されます。映画は純粋なエンターテインメントとしてだけでなく、武侠文化の深淵を覗かせる重要な作品となっています。

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