カンボジア赤十字社

カンボジア赤十字社について

カンボジア赤十字社は、カンボジア国内で最大の人道支援団体であり、1955年2月18日に設立されました。カンボジア王国政府から、人道支援活動を行う主要な団体として公的に承認されています。1960年には赤十字国際委員会に認可され、国際赤十字赤新月社連盟にも加盟しました。

歴史

1955年 - 1994年

1960年、カンボジア赤十字社は赤十字国際委員会と国際赤十字赤新月社連盟に相次いで承認されました。しかし、1975年から1979年までのクメール・ルージュ政権下では、国内の赤十字活動は全て停止され、連盟総会での議席も放棄されました。政権崩壊後、1979年から1994年までの間、カンボジア赤十字社は国内で四つの派閥に分裂し、統一的な活動が困難な状況でした。1994年に王室が再統合されたことで、国際赤十字赤新月社連盟への復帰が認められました。

1994年 - 2002年

再統合後、カンボジア赤十字社は組織の発展と変革を遂げました。組織再編は三期にわたって行われ、初期はノロドム・マリー・ラナリッド王女が社長を務め、1998年から2002年まではブン・ラニ・フン・セン首相夫人が社長を務めました。2002年8月の投票で、首相夫人は再任されました。また、シハヌーク国王の母であるノロドム・モニニース・シハヌーク女王が、1994年から名誉総裁を務めています。

人的・財政的資源の制約がある中、カンボジア赤十字社は国内活動の統合と国際赤十字赤新月社連盟との連携強化を図りました。1998年から2000年にかけての3年間の開発計画は成功を収め、2001年からは5年間の第二次開発計画が開始されました（2002年に見直し）。

戦略2003 - 2010

2003年には、新たな発展戦略「戦略2003-2010」が策定されました。この戦略に基づき、カンボジア赤十字社は国内法を制定し、赤十字社を王国の公的団体として位置づけ、赤十字章と赤新月章の使用に関する法律を定めました。

「戦略2003-2010」は、カンボジア国内の貧困削減を促進するための、赤十字社の役割を明確化し、国際赤十字赤新月社連盟との連携を強化する目的で策定されました。

受賞と国際的認知

2001年11月、カンボジア赤十字社の前社長フレッチ・フィラウン夫人とアンリ・デュナン・ソサエティの設立者ロジャー・デュランドが、人類への貢献を認められアンリ・デュナン賞を受賞しました。2004年には、閣僚会議でマイン・アクション・アチーヴメンツに参加しました。

現在の活動

現在、カンボジア赤十字社は、健康管理を含む多岐にわたる活動を展開しています。赤十字の「7つの原則」や人道的価値観に関する情報発信、災害対応能力の向上にも力を入れています。国内には24の支部と12万6318人の社員を擁し、5,700人の赤十字奉仕者と5,300人の赤新月奉仕者が活動しています。これらの人々が連携し、現代のカンボジア社会のニーズに応じたサービスとプログラムを提供しています。

注

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