カンムリバト

カンムリバト (Goura cristata)

カンムリバトは、ハト目ハト科カンムリバト属に分類される鳥類で、その名の通り、頭部に扇状に広がる大きな冠羽を持つことが特徴です。

分布

カンムリバトは、インドネシアのサラワティ島、ニューギニア島北西部、バタンタ島、ミソール島、ワイゲオ島といった地域に固有の種です。一部、セラム島に移入された可能性も指摘されています。

形態

全長は66-75cmに達し、ハト類の中では最大級の大きさを誇ります。種小名の"cristata"は「鶏冠のある」という意味で、和名の由来ともなっている頭部の冠羽が特徴的です。全身は青みがかった灰色の羽毛で覆われ、上面と小雨覆、中雨覆は赤褐色、大雨覆は淡灰色をしています。

生態

主に低地の森林や湿地帯に生息し、2-10羽程度の小規模な群れを形成して生活します。地表での活動が多く、林床を歩き回って採食を行います。昼行性であり、夜間は安全な樹上で休みます。

食性は雑食性で、昆虫類、果実、野草など、様々なものを食べます。採食は主に地表で行います。

繁殖形態は卵生で、樹上に木の枝などを組み合わせた皿状の巣を作ります。一度に産む卵は1個で、雌雄共同で抱卵し、抱卵期間は約28-29日です。雛の育雛も雌雄が協力して行い、雛は約30-36日で巣立ちます。

人間との関係

カンムリバトは、生息地において羽毛が装飾品として利用されたり、食用とされることがあります。しかし、開発による生息地の破壊や、羽毛採取や食用、ペット目的の乱獲などにより、生息数は激減しています。そのため、インドネシアでは法的な保護の対象とされています。

関連項目

カンムリバト属

参考文献

中村登流監修 『原色ワイド図鑑4 鳥』、学習研究社、1984年、69、186頁。
小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『レッド・データ・アニマルズ7 オーストラリア、ニューギニア』、講談社、2000年、60-61、179頁。

外部リンク

CITES homepage
Appendices I, II and III
IUCN 2008 Red List - Home Page -
* BirdLife International 2008. Goura cristata. In: IUCN 2008. 2008 IUCN Red List of Threatened Species.

もう一度検索