ニューギニア島

ニューギニア島：多様な文化と自然が織りなす島

ニューギニア島は、太平洋西部に位置する、世界第二位の面積を誇る巨大な島です。インドネシアとパプアニューギニアという二つの国にまたがり、その領土は複雑な歴史と多様な文化を反映しています。別名パプア島、イリアン島とも呼ばれ、その名称の由来も多岐に渡ります。「ニューギニア」は、島を発見したヨーロッパ人がアフリカのギニアと類似性を認めたことに由来し、「パプア」は先住民の髪型にちなみ、「イリアン」はインドネシア語で「東」を意味します。

地理と自然環境

ニューギニア島は、赤道付近に位置し、北は太平洋、西はハルマヘラ海、東はソロモン海、南はアラフラ海とトレス海峡に囲まれています。島の中央部には、マオケ山脈、ビスマーク山脈、オーエンスタンリー山脈といった険しい山々が連なり、オセアニア最高峰のプンチャック・ジャヤも存在します。これらの山脈は、島全体に豊かな自然環境をもたらし、熱帯雨林が島の広大な面積を覆っています。フライ川やセピック川といった大河川が流れ、チェンデラワシ湾、パプア湾、ミルン湾といった大きな湾も点在しています。また、アラフラ海は浅い海域として知られる一方で、ソロモン海は深い海域として知られています。島の北西端付近では、太平洋における南赤道海流が勢いを失い、終焉を迎える場所となっています。

歴史：植民地時代から独立へ

ニューギニア島には、古くからオーストラロイド系の人々が居住していました。その後、アウストロネシア系の人々が島に渡り、多様な文化が形成されていきました。16世紀初頭にはヨーロッパ人が島を訪れ、その後、オランダとイギリス、ドイツが植民地化を進めました。西半分はオランダ、東半分はイギリスとドイツがそれぞれ領有し、境界線はオーエンスタンリー山脈とビスマーク山脈に沿って南北に引かれました。第一次世界大戦後、ドイツ領はオーストラリアの委任統治領となり、第二次世界大戦中には日本軍の占領を受けました。戦後、オランダ領西ニューギニアはインドネシアに編入され、イギリス領パプアとオーストラリア委任統治領はパプアニューギニアとして独立しました。独立後も、西パプアの自治独立運動や、インドネシア政府による対応策としての大量移住など、複雑な社会問題を抱えています。

文化と住民

ニューギニア島の先住民はパプア系民族で、現在も島の人口の大部分を占めています。「ニューギニア高地人」と呼ばれる人々は、長年にわたり外界から隔絶された生活を送っており、独自の文化や言語を発展させてきました。海岸部には、アウストロネシア系の人々も居住し、多様な文化が混在しています。西ニューギニアには、インドネシア独立後、多くのマレー系住民が移住しました。これらの民族の混在は、ニューギニア島を多様な文化と社会構造を持つ島として特徴づけています。

行政区分

ニューギニア島はインドネシアとパプアニューギニアの二つの国に分割されています。インドネシア領は、かつて西パプア州とパプア州でしたが、パプア州はその後、中部パプア州、山岳パプア州、南パプア州に分割されました。パプアニューギニア領は、モマセ地方、パプア地方、山岳地方の3つの地域に大別されます。国境線は概ね東経141度線に沿って引かれていますが、フライ川の屈曲部付近では、自然地形を国境線に採用している部分もあります。

まとめ

ニューギニア島は、その地理的規模、多様な民族、複雑な歴史、そして豊かな自然環境などから、世界的に見ても特異な島といえます。 今後も、その多様な文化と社会問題、そして自然環境の保全が重要な課題として取り上げられ続けるでしょう。

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