カーチス・ストレンジ

カーティス・ストレンジ：全米オープン2連覇の偉才

カーティス・ノースラップ・ストレンジ（Curtis Northrup Strange）は、1955年1月30日生まれのアメリカ人プロゴルファーであり、現在はテレビのコメンテーターとして活躍しています。彼の輝かしいキャリアの中でも、全米オープンでの2年連続優勝は特筆すべき功績であり、世界ゴルフ殿堂とバージニアスポーツ殿堂入りを果たしています。1986年から1990年までの間、200週以上にわたってオフィシャルワールドゴルフランキングのトップ10を維持し、その実力を世界に示しました。

学生時代

バージニア州ノーフォークで双子の兄弟アレンと共に生まれたストレンジは、7歳の時に地元のカントリークラブを経営していた父親の影響でゴルフを始めました。バージニアビーチのプリンセスアン高校を卒業後、ノースカロライナ州ウィンストンセーラムにあるウェークフォレスト大学に進学し、ジェイ・ハースやボブ・バイマンらと共に、NCAAディビジョンIの強豪ゴルフチームでプレーしました。このチームはゴルフワールド誌によって「史上最高」と評されています。

PGAツアーでの活躍

ストレンジは、1980年代のPGAツアーを代表する選手の一人として活躍し、ツアー通算17勝のうち16勝をこの10年間に挙げています。1985年、1987年、1988年には賞金王に輝き、年間賞金総額が100万ドルを超えた初のプレーヤーとなりました。メジャー大会では、全米オープンで2連覇（1988年、1989年）を達成。第二次世界大戦以降、全米オープンを連覇したのは、ベン・ホーガン（1950年、1951年）、ストレンジ、ブルックス・ケプカ（2017年、2018年）の3人しかいません。

1989年の全米オープンがストレンジにとって最後のツアー優勝となりました。その他のメジャー大会では、1985年のマスターズで最終日までトップを維持していましたが、最終的には2打差で2位に終わりました。1989年のPGA選手権でも1打差で2位となっています。ライダーカップには5回（1983年、1985年、1987年、1989年、1995年）出場し、2002年にはチームキャプテンを務めました。

全盛期には全英オープンを何度か欠場しましたが、それでも数多くの海外試合に出場。「ABC日米マッチ」（1986年）で優勝したほか、オーストラレーシアツアーにも積極的に参加し、1980年代後半から1990年代前半にかけて、オーストラリア国内大会で3勝を挙げています。また、1976年のオーストラリアオープン、1977年のコルゲートチャンピオンオブチャンピオン、1986年のニュージーランド航空シェルオープン、1990年の大京パームメドウズカップでそれぞれ2位の成績を残しています。

ヘンリック・ステンソンやベン・ホーガンと同様に、ストレンジは左利きですが、ゴルフは右打ちのスタイルを採用しています。

その後の経歴

2005年1月に50歳となり、チャンピオンズツアーに参戦しましたが、目立った成績は残せませんでした。その後、1997年にスポーツ専門チャンネルESPN/ABCのゴルフ中継解説者となり、マイク・ティリコの補佐役を務めました。2004年に契約上の問題で一時退任しましたが、2008年に復帰。2016年からはFoxと契約し、USGA選手権試合のコースレポーターを務めています。

タイガー・ウッズのプレイオフ勝利、デビッド・デュバルの59ストローク、ジャン・バンデベルデの崩壊劇、トム・ワトソンの全英オープンでの活躍など、数々の名場面を的確に解説し、視聴者からの評価を高めました。

2007年4月18日には、世界ゴルフ殿堂入りを果たし、同年11月12日にフロリダ州セントオーガスティンのワールドゴルフビレッジで殿堂入り式典が行われました。2009年5月には、バージニア州南東部のスポーツ界に貢献した人物を称えるハンプトンロードスポーツ殿堂にも選出されています。

カーティス・ストレンジは、その卓越したゴルフの才能と、ゴルフ界への貢献によって、多くの人々に記憶される偉大なゴルファーです。

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