カーテシーランプ

カーテシーランプ：乗降時の安全と快適性を高める照明

カーテシーランプは、自動車のドア内側下部に設置された照明器具です。その名の通り、乗員への配慮（Courtesy）から生まれたもので、乗降時の足元を照らすと共に、後続車にドアが開いていることを知らせる警告灯としての役割も果たします。特に夜間における安全確保に大きく貢献しています。

機能と役割

カーテシーランプの主な機能は、以下の2点です。

1. 足元灯: ドアを開けた際に、車内と車外の明るさの差によって生じる視覚的なギャップを解消し、乗降時の安全性を向上させます。足元を明るく照らすことで、つまずきや転倒などの事故を予防する効果が期待できます。
2. 警告灯: ドアが開いていることを後続車に知らせることで、接触事故などの危険を低減します。特に夜間や視界が悪い状況下では、その効果は顕著です。

設置場所と装備状況

通常、カーテシーランプは運転席と助手席のドアに設置されます。しかし、4ドア車であっても後部座席のドアに装備されていない車種が少なくありません。また、ランプの代わりに反射板のみが装備されている場合や、カーテシーランプ自体が省略されている車種も存在します。近年では、ミニバンなどではドアステップ部に設置されるケースも見られます。

タクシーなどでは、左後部座席に乗客を乗せる機会が多いため、安全性を考慮して左後部座席ドアにもカーテシーランプが設置されている車種が多く見られます。さらに、LEDテープなどを後付けで装備しているタクシーも見かけます。

名称と表記

カーテシーランプの名称表記には、若干の揺れがあります。「カーテシランプ」「カーテシーライト」「ドアカーテシ」「ドアカーテシーランプ」「ドアカーテシーライト」など、長音符の有無や「ランプ」と「ライト」の使い分けによる違いが見られます。

灯火色

カーテシーランプの灯火色は、車種によって異なります。日本車では電球色や白色が多く用いられていますが、アメリカ車やドイツ車の中には赤色を採用している車種も存在します。

まとめ

カーテシーランプは、一見すると小さな照明器具ですが、乗降時の安全と快適性、そして後続車の安全確保に貢献する重要な装備です。その設置場所や装備状況、名称表記、灯火色などは車種によって異なり、時代の流れとともに進化を続けています。 近年はLED化が進み、省電力化やデザイン性の向上も図られています。

もう一度検索