カート・ブッシュ

カート・トーマス・ブッシュは、1978年8月4日生まれ、アメリカ合衆国ネバダ州ラスベガス出身の元NASCARドライバーです。実弟であるカイル・ブッシュと共に、NASCARスプリントカップに参戦していました。

経歴

カート・ブッシュは、下位シリーズ参戦中に発砲事件に巻き込まれたドライバーのシートを引き継ぐという異例の形でキャリアをスタートさせました。その後、1999年に同シリーズのタイトルを獲得。その実績が認められ、クラフトマントラックシリーズへ参戦、ウィンストン(現ネクステル)カップへの昇格のチャンスを掴みます。しかし、下位シリーズ時代の同僚であったグレッグ・ビッフルの方が経験豊富であったことから、昇格は見送られました。

最高峰シリーズにフル参戦を果たしたのは2001年。新人王はケヴィン・ハーヴィックに譲りましたが、翌2002年には合計4回の勝利を挙げ、年間3位という好成績を収めます。しかし、その後は同僚との不仲などから、トラブルメーカーとしてのイメージが先行するようになります。2004年には、同年から導入されたチェイスを制し、見事年間王者に輝きました。2006年度は個人最多となる6回のポールポジションを獲得しましたが、年間勝利は1回に留まり、チェイス進出はなりませんでした。

2007年は序盤に苦戦し、ポイントランキングも低迷しましたが、第21戦のポコノで勝利を挙げると、その後は調子を上げ、人気No.1ドライバーであったデイル・アーンハートJr.を押し出す形でチェイス入りを果たしました。しかし、チェイスに入ってからは調子が上がらず、結局シリーズ7位に終わりました。

その後、ファニチャー・ロウ・レーシング、スチュワート＝ハース・レーシング、チップ・ガナッシ・レーシング、23XIレーシングとチームを渡り歩きましたが、2022年第21戦ポコノのプラクティス中に事故に遭い、脳震盪を起こしてシーズンを欠場。来期からの復帰も期待されましたが、日本時間10月15日に自身のTwitter及びNASCAR公式から、今シーズンをもってフル参戦から引退することが発表されました。

戦績

NASCAR
モンスターエナジー・NASCARカップ・シリーズ

その他

クラフトマントラックシリーズ、ブッシュシリーズを含めた3大カップ戦、全ての優勝経験を持つ(歴代で16人目)。
元同僚ジミー・スペンサーとのトラブルで罰金を課されたことがある。
ペンスキーレーシングへ移籍する前年の2005年の第35戦と最終戦は、公道で警察に逮捕されたため自粛として参戦していません（翌年にドライブする車のスポンサーがビールメーカーという事も影響したと考えられます）。
日本テレビ系列のG+では『バッドボーイ』として紹介されていましたが、2009年の途中より、昔ほどやんちゃで無くなった事も含み『ブッシュ兄弟・兄』に切り替わっています。

カート・ブッシュは、そのアグレッシブなドライビングと数々のトラブルで、良くも悪くもNASCAR史に名を残すドライバーとなりました。引退後も、その功績は語り継がれることでしょう。

もう一度検索