カーネギー・ホール (映画)

映画『カーネギー・ホール』の魅力

『カーネギー・ホール』（原題：Carnegie Hall）は、1947年にアメリカで公開された音楽をテーマにした映画です。日本では1952年に初めて公開され、多くの視聴者に感動を与えました。映画は、名門音楽ホールで働く女性、ノラ・ライアンの物語を軸に展開していきます。

映画の概要

ノラ・ライアンはカーネギー・ホールで掃除婦として働いています。彼女はこのホールを心から愛し、自分の仕事に誇りを持っている女性です。また、彼女には年配の同僚、ジョン・ドノバンがいます。彼はノラを父親のように気遣い、さまざまな面で彼女を支えています。物語は、ノラの人生を通じて、音楽の力や人と人とのつながりがどのように彼女を形作ったのかを描写します。

音楽に関しては、名演奏が数多く収録されており、ブルーノ・ワルターやレオポルド・ストコフスキー、アルトゥール・ルービンシュタイン、ヤッシャ・ハイフェッツといった著名な音楽家たちが登場します。映画の中で彼らの演奏が映し出され、観客に圧倒的な感動を与えます。

あらすじ

物語は、ノラが若いピアニストのトニー・サレルノと結婚し、男の子を授かるところから始まります。しかし、幸せな日々も長くは続きません。トニーは仕事に悩み、アルコールに依存するようになります。ある晩、家に戻ったトニーとノラは激しい口論をし、トニーは自らの職業を辞め、音楽家になると宣言します。しかし、彼は階段から転落し、命を落とすという悲劇に見舞われます。

この出来事をきっかけに、ノラは再び掃除婦として働くことになり、その後はオフィス業務に移り、小ホールの運営を任されるようになりました。彼女は若い音楽家たちを支援することに情熱を注ぎます。一方で、彼女の心の中には亡きトニーの面影が強く残っており、息子にトニーの名前を付け、父親の夢を叶えるべくピアノの練習をさせます。

年月が経ち、成長したトニーはルース・ヘインズという歌手と恋に落ちます。しかし、彼は自らの道を追求することを選び、母親に反発し家を飛び出します。彼はジャズの世界で名を馳せますが、ノラとの連絡は途絶え、2人の関係は疎遠になってしまいます。

やがて、ルースはトニーとの喧嘩別れの末にノラのもとを訪れ、ノラは彼女を通じてトニーとの再会を果たす手続きを進めます。その際、ジョンの助けにより、ノラとルースはカーネギー・ホールの客席へ導かれます。そこで遂にトニーが新進のジャズピアニストとして舞台に立ち、演奏が始まります。観客として見守るノラとルースは熱狂的な拍手を送る場面で物語は幕を閉じます。

キャスト

• - ノラ・ライアン: マーシャ・ハント（声優: 島美弥子）
• - トニー・サレルノ（父）: ハンス・ジャレイ
• - トニー・サレルノ（子）: ウィリアム・プリンス（声優: 城達也）
• - ジョン・ドノバン: フランク・マキュー（声優: 伊藤克）
• - ルース・ヘインズ: マーサ・オドリスコール

音楽

映画には多くのクラシック音楽が使用されており、シューマンやワーグナー、ドリーブ、サン＝サーンスなどの名曲が流れます。これらの音楽は、ノラの物語や彼女が愛するカーネギー・ホールの魅力をさらに引き立てています。音楽と感動的なストーリーが融合したこの映画は、観客に深い印象を残すことでしょう。

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