カーペンターズ (アルバム)

カーペンターズのセカンドアルバム『カーペンターズ』

1971年5月13日にリリースされたカーペンターズのセルフ・タイトルアルバムは、音楽史に残る名盤の一つとして知られている。このアルバムは、ジャケットのデザインが特徴的で、日焼けした肌のような黄褐色で覆われているため、通称「タン・アルバム」と呼ばれています。この名称は、同じくセルフ・タイトルのビートルズの『ホワイト・アルバム』を意識したものでしょう。

日本においては、初めてリリースされた際に『ふたりの誓い〜カーペンターズ第三集』という邦題が付けられ、その後「スーパースター」というタイトルで再発売されましたが、2000年には元の原題に戻って、再びセルフ・タイトルとして知られるようになりました。

アルバムの収録曲

このアルバムには、特に愛されている曲が数多く収められています。先行シングルとしてリリースされた「ふたりの誓い」と「雨の日と月曜日は」は、いずれも大ヒットしました。さらに、シングルカットされた「スーパースター」は特に有名で、バート・バカラックが手掛けた「バカラック・メドレー」も収録されています。このメドレーでは、バカラックのいくつかの名曲が組み合わされ、カーペンターズの特有のハーモニーで新たな命を吹き込まれています。

「スーパースター」という曲は元々、デラニー&ボニーが「グルーピー」というタイトルで発表したものでしたが、その後、レオン・ラッセルやジョー・コッカーによって名前が変更され、再び大ヒットとなりました。カーペンターズは、ベット・ミドラーによるカバーを聞いたことがきっかけでこの曲を取り上げることを決めており、歌詞のテーマはロック・スターへの憧れのあるグルーピーの心情が描かれています。カレン・カーペンターはこの歌詞に少々抵抗を持っていたため、内容が柔らかくアレンジされて歌われることになりました。

また、アルバム内の「サタデイ」と「ドリシラ・ペニー」の2曲では、リチャード・カーペンターがリードボーカルを務めており、兄妹でありながらそれぞれの魅力を発揮しています。

アルバムの評価

このアルバムは、発売から4週間にわたって全米アルバムチャートで2位を獲得し、その人気を証明しました。その後、カーペンターズはこのアルバムを通じてグラミー賞最優秀ボーカル・グループ賞も受賞しており、その音楽と表現力が評価されることとなりました。

全収録曲

Side 1

1. 雨の日と月曜日は（原題：Rainydays and Mondays）
2. サタデイ（原題：Saturday）
3. あなたの影になりたい（原題：Let Me Be the One）
4. 愛は涙のために（原題：(A Place to) Hideaway）
5. ふたりの誓い（原題：For All We Know）

Side 2

1. スーパースター（原題：Superstar）
2. ドリシラ・ペニー（原題：Druscilla Penny）
3. ワン・ラヴ（原題：One Love）
4. バカラック・メドレー
- 去りし時を知って（原題：Knowing When to Leave）
- 涙でさようなら（原題：Make It Easy on Yourself）
- 愛の思い出（原題：(There's) Always Something There to Remind me）
- 恋よ さようなら（原題：I'll Never Fall in Love Again）
- ウォーク・オン・バイ（原題：Walk On By）
- サン・ホセへの道（原題：Do You Know The Way to San Jose）
- サムタイムス（原題：Sometimes）

このように、カーペンターズの『カーペンターズ』は、名曲の数々とともに、彼らの音楽的才能が詰まったアート作品というべきアルバムです。

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