カール・アウグスト (スウェーデン王太子)

カール・アウグスト・アヴ・アウグステンブリ

カール・アウグスト・アヴ・アウグステンブリ（1768年7月9日 - 1810年5月28日）は、スウェーデンの王太子でした。本名はクリスチャン・アウグストといい、アウグステンブルク公フレゼリク・クリスチャン1世の三男として生まれました。

生い立ちとデンマークでの活躍

アウグステンブルク家は、デンマークおよびノルウェーの王家であるオルデンブルク家の分家の一つです。クリスチャン・アウグストは、デンマーク王クリスチャン3世の7世孫にあたります。彼はデンマーク軍 में 将軍として出仕し、ノルウェー総督にも任命されるなど、軍人として順調なキャリアを築きました。

スウェーデン王太子への道

1809年、スウェーデン王カール13世は高齢で世継ぎがおらず、王位継承問題が浮上していました。そのような状況下で、クリスチャン・アウグストは1810年に王太子に指名されます。これは、ノルウェーにおける彼への高い人気が背景にありました。当時、スウェーデンがノルウェーを獲得する可能性が期待されており、ノルウェーで人望の厚いクリスチャン・アウグストの存在は、スウェーデンにとって有利に働くと考えられたのです。王太子に指名されたクリスチャン・アウグストは、カール・アウグストと改名しました。

突然の死とその後

しかし、カール・アウグストは王太子となって間もなく、事故死を遂げます。軍事演習の視察中に落馬し、その後心臓麻痺（または脳卒中）で死亡したとされています。しかし、彼の死は事故を装った暗殺であるという噂がすぐに広まりました。そして、その首謀者とされたハンス・アクセル・フォン・フェルセンは、ストックホルムでカール・アウグストの葬儀が執り行われている最中に群衆の暴動に遭い、惨殺されるという事件が起きました。

カール・アウグストの死後、スウェーデン王位継承者には、彼の兄であるアウグステンブルク公フレゼリク・クリスチャン2世が候補に挙がりました。しかし、紆余曲折を経て、最終的にはフランスの元帥ジャン＝バティスト・ベルナドット（後のカール14世ヨハン）が王位を継承することになりました。この王位継承問題では、デンマーク王フレゼリク6世が立候補したり、前国王グスタフ4世アドルフの王子グスタフ（ヴァーサ公）の復権を求める動きがあったりと、その後も長く尾を引くこととなりました。

カール・アウグストの突然の死は、スウェーデンの歴史に大きな影響を与えた出来事と言えるでしょう。

もう一度検索